コロナ大恐慌、民泊経営者はどうなる? 米国編

 

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

この記事の概要

アメリカだけではないでしょうが、COVID-19絡みの大恐慌で、リゾート地の不動産、バケーションレンタル案件、民泊関係の経営が壊滅的な打撃を被っています。

今後、こうした業態が、過去の盛況を取り戻すのかは、まだ、わからないとうのが正直なところかもしれません。

これまでの私は、ロングステイの旅行も多いので、エアビー旅行が大好きで、旅行をするときは、ホテルのウエブサイトの他、民泊仲介業者、エアビーエヌビー(AIRBNB)のウエブサイトも必ずチェックします。(していました。今後、この行動は、過去形になるのでしょうか?)

COVID大恐慌が始まるまでは、エアビーエヌビーは、IPOを控え、入念な準備に余念がないと報道されていました。下は、2019年11月のフォーブス・ジャパンの記事です。

エアビーアンドビーが2020年にIPO、「直接上場」が確定的に

そこに、コロナウイルスの世界的な流行が。

今回の問題点は、状況が世界同時進行中であること、各国政府の休業命令が、「需要がないから」という、市場の問題そのものというよりは、「需要を殺すために」行われている人為的な需要カット政策であることでしょうか。

このような状況は、これまで、ほとんど想像できませんでした。

最近のエアビーエヌビーはというと、経営を続けるための借金調達に奔走中。

民泊仲介のエアビー、追加資金調達で投資家と協議-関係者

エアビー民泊のご本家、アメリカでも、AIRBNB の人気は最近本当に広まっていて、普通のマンションを、長期賃貸に出すかわりにエアビーエヌビー民泊にして、ハイリターンを目指す戦略が一般化したほか、賃貸マンションをエアビーに出す猛者もいました。

現在、不動産関係のフォラームを見ると、

「物件を賃貸している知り合いのエアビー経営者は、家賃滞納のまま出ていってしまったらしい」
「自分はなんとかなるので、まずは安全優先で今はエアビーしていない」
「エアビー経営のため、物件を買ったので、ローン返済が何件分もある」

といった生々しい声が寄せられています。

NYTの下の取材では、東京在住のあるカップルは、12室のエアビーを経営していたところ、入居率8割からゼロへとなってしまい、ローンの返済のほか、専業で雇っていた清掃クルーへの給料を払うために、老後資金に手を付けているとのことです。

How Your AIRBNB Host is Feeling the Pain

個人レベルでは、悲劇が巻き起こっていますが、全体像も見ておきましょう。

この記事の冒頭に掲げたグラフ(AIRDNA 社加工)によると、現在、米国での掲載件数は、大体、130万件台であるところ、直近の成約案件総数は、30万件ちょっとで、年頭の半分に落ち込んでいます。

米国での賃貸物件の総数は、だいたい、5,000万室(50MILLION)らしいので、マーケットに対するインパクトとしては、賃貸物件総数の3%弱に匹敵する程度の話ではあります。

ただ、空室率自体を見ると、単純に半分になったわけではないらしく、下を見ると、最新データで、入室率は、12%減にとどまっています。

現在、こうした民泊は、「短期のバケーション的旅行は減っているが、看護師などの医療関係者等の長期緊急出動への1ヶ月単位の賃貸が増えている」「自宅謹慎用に利用されている」といった報道がされており、ホテル業界も同様のようです。

具体的には、必要不可欠な業務に従事する方々の長期出張ニーズや、観光地でロックダウンさせられ、長期逗留になってしまった方、更には、旅行から帰宅後、14日間の隔離を政府から要請されている方や、家族などとの間に距離を作るために自主隔離をしている方々に対応できる物件が、経営が続いているということなのかもしれません。

2019年の段階で、すでに、民泊は、都市部での経営のほうが、観光しかないようなロケーションでの経営よりも、伸びているということは指摘されていました。

一泊ごとの単価を見ても、それほど暴落しておらず、やはり、単純な観光ではない、ビジネスユースが多いのかもしれないという想定が働きそうです。

一泊平均200ドルはすごいです。日本やイギリスのエアビーの平均の倍。さすが、インフレ大国米国です。

しかし、平時でも、平均稼働率は5割。

30日のうち15日が200ドルで稼働すれば、額面粗収入は3,000ドルですが、家賃やローンなどの普通の賃貸でも払わなければいけない経費はもとより、こうした民泊、バケーション・レンタルは仲介サイトに払う額、WIFI や電気水道代、最初の家具一式を揃えるコストなど、前倒しの費用や固定費がたくさんありそう。

ハイ・リスク・ハイ・リターンなビジネスですね。コロナ前の世界においても、マーケッティングの才覚のある方やロケーションのいい物件ならともかく、普通の人が誰でも参入して黒字になるビジネスではなかったのではないかと想像します。

いわゆるギグ・エコノミー(インターネットを通して単発の仕事を請け負う働き方)の一つ。周囲を見ても、今後、エアビー物件を普通の賃貸物件へと切り替える動きもあるため、こうした短期利用に転用された居宅物件の行方から、今後、目が離せません。

この記事のまとめ

現在、バケーションレンタルや民泊を経営されている方がおいででしたら、長期型ビジネス逗留への転換、あるいは、一般的な賃貸へと、ビジネスを転換する必要があるかもしれません。

特に、ローンを組んで、返済をしながら、エアビーを経営している方、あるいは、賃貸している物件を短期民泊に回されている方は、レバレッジ(融資を受けること。お金にテコの原理を使う)の逆スイングを経験していることでしょう。

統計を見ると、エアビー自体が、平均稼働率5割のリスキー・ビジネスであるようですね。

不動産経営を長期に安定させるには、銀行融資やレバは、さらなるリスク要因の一つとなりえます。

家賃収入でリタイヤを目指そうとする方は、いっぱいいっぱいの経営を行うのではなく、日頃から生活費を多めに貯金をしておくとか、生活費を収入に比して、低めに抑える努力をするなど、いくつもの「ゆとりを作るための技」を挟ませることを忘れてはいけません。

補足

データは、下からお借りしました。グラフは、AIRBNB 社と VRBO 社両方の数字を合わせた数字を元に算出したということです。ここで取り上げたのは米国データですが、世界各国の民泊運用状況が調べられますのでご利用されてみてください。

AIRDNA