2020年4月1日 アメリカ コロナ被害と対策 不動産投資家向けのポイント

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

この記事のまとめ

全米規模の操業休止命令に伴う不動産投資家への波及効果

バッドニュース1 不動産仲介はほぼストップ。現場では、関係者がコロナ休業中
バッドニュース2 不動産管理業務は、操業停止命令の対象。多少の修理では、動けません
バッドニュース3 裁判所が休業し、強制退去等取り立てを担保する法的手段が今ありません

アメリカのコロナ旋風は、この10日ほどで、数々の展開があり、私も情報交換に忙しくしていました。

状況は予断を許さず、命を落とされている方々も多数。心が痛みます。医療関係者や警察関係者の献身的な勤務ぶりへも、応援しながら見守るしかできません。

このブログでは、不動産投資ビジネスがメインなので、そちらの観点からの言及だけをさせていただきます。今も、投資案件は出ていまして、ご用命も引き続き、頂いています。

その話はまた次の記事で。

英語ニュースであっても、具体的な業界の状況まで落とし込んだレベルの報道はほとんどないので、お役に立てると幸いです。

まず、大前提として、多くの州で、必要不可欠な業務以外は、休業命令が出ています。

ニューヨークの例↓

ジェトロ短信 米ニューヨーク州、必要不可欠な事業を除き全ての事務所や店舗の閉鎖を指示

この必要不可欠な業務はどんなものかというと、州ごとに多少解釈も違ったり、現場の運用のさじ加減が違ったり、連邦が指針を出していたり、いろいろ、混乱もあるのですが、不動産について見ると、だいたい、この結果、下の波及があります。


全米規模の操業休止命令に伴う不動産投資家への波及効果

バッドニュース1 不動産仲介はほぼストップ。現場では、関係者がコロナ休業中
バッドニュース2 不動産管理業務は、操業停止命令の対象。多少の修理では、動けません
バッドニュース3 裁判所が休業し、強制退去等取り立てを担保する法的手段がない

第一のバッドニュースですが、不動産は、決済自体や登記業務等は休業しなくていい必要不可欠な業務とされているのですが、現場で、「今のこの時期、他所の人の家に行くなんて嫌だ」といった声が、鑑定士の方やインスペクターの方中心に出ていて、しかも、オープンハウスどころか、個別の顧客に家を見せる内見すらもしてはいけなくなったため、実質上、ほぼ、売却は動きません。

3月上旬に不動産仲介の方々は、アンケートで、まだ影響がないと回答されたのを、紹介しましたが、それも、大崩れです。

日本在住者の場合、加速減価償却節税対策をやられていた方なんかで、今年にも、米国の不動産を売ろうと考えられていたかもしれませんが、後半戦でこの状態が解決することをお祈り申し上げます。

第二のバッドニュースは、大家さんにとっての最悪ニュース。管理会社が、休業なのです。

例えば、真面目な管理業の方が、「いや、私は、一人管理会社だから頑張るよ」と、自主的に管理業務を遂行するために、「一人で」会社に行こうとしたり、あるいは、水道業者さんが、テナントさんのお宅に行って、トイレ修理なりをしようにも、途中で警察に止められ、「なんで出歩いているんだ??」と職務尋問されてしまいます。

食料品の仕入れ、医薬品購入、あるいは必要不可欠な業務遂行等ごく限られた目的以外には、基本、多くの州で、「休業していないじゃないか!」と、罰金が課される状態なのです。

不動産管理関係で必要不可欠と判断されうるとしたら、家の修理のレベルが、生死に関わるレベルであるのみ。洗濯機が壊れても、南京虫が出ても、水漏れがあっても、管理会社は、動けません。

大家さんも、家の管理状態が心配ですね。

しかも、こんな状態では、家賃が払えない人はもちろん、家賃が払える人でも、「管理もしてもらえないのに、賃料なんか、払いたくない」とか、「小切手を送っても、どうせ、管理会社は、休業中で小切手デポジットも行けないだろ」、とか考え出すテナントも、、、

出るでしょうか?

それに関しては、バッドニュース3を御覧ください。

バッドニュース3が極めつけ。

基本、裁判所が休みになったため、多くの州で、滞納テナントを追い出すための強制退去命令(EVICTION)が取れません。

テナントさんの失業を心配されている大家さんが多くおいでだと思いますが、私も1ヶ月前には、コロナで、裁判所が休業になるとまでは、正直、思い至りませんでした。

リベラル色が強いカルフォルニアでは、ロウワー層の生活を守るため、強制退去を明示的に制限することになりましたが、そんなことをわざわざ宣言していない州も、基本、裁判所をシャットダウンしているので、結果は同じです。

ただし、先進的なカルフォルニアでも、この期間中の賃料が法的に免除になる、というところまでは行きません。単に、払えない場合、強制退去に制限があるというだけです。

What you need to know if you’re a renter in California during the coronavirus pandemic

もちろん、追い出しても、今の御時世、管理会社に清掃してもらうことも叶わず、新しい人に入ってもらうのはなおさら難しいでしょうから、不払いテナントがいる方も、今追い出すことを考えても仕方がありません。

アッパー層に貸してでもいない限り、実質上、問題が解決した後、多くの賃借人が、空白期間分の返済は、できないまま、終わるでしょう。そして、アッパー層に貸している場合は、そもそも、家賃、この時期も、払ってくれる可能性が大きいわけでして。。。

対策

しかし、幸いなことに、連邦の2兆ドル強の刺激策が2020年3月末そうそうに成立し、スモールビジネスへの支援や個人への直接振り込みが決定しました。

日経新聞より 米、2兆ドル景気対策が成立 企業や個人に「安全網」

今回の決定に関連し、当面、当方に関係する提案の柱は、以下3つ。

1)スモールビジネスへの支援
2)個人への振り込み
3)失業給付の強化

ブログのトップで画像をお借りした日経の表ではわかりにくいですが失業給付も含まれるパッケージです。

個人への振り込み、どんどんやってほしいものです。

ということで、この3本の柱のうち、2つは、ある程度任せておけばいいとして、私達にとっての今後の焦点は、ここで決まったスモールビジネス支援策が、どれだけ効果的に実行されるかです。

上の日経記事から

中小企業向けに3500億ドルの融資枠も用意する。中小企業が雇用と給与を維持すれば、連邦政府への返済を不要にする仕組みで、事実上の給与の肩代わり策だ。期限は6月末までとする

この支援策が、広く行き渡れば、きちんと効果が感じられると思うのですが(6月以降についても、必要があれば、連邦政府は、支援を続ける覚悟があるようです)、スモールビジネス操業停止に対する補償については、実は、懸念事項があります。

というのは、小規模事業者は、税金の申告に問題があるケースがままあるのですが、そのため、支援の申請書審査において、ぶっちゃけ、連邦の確定申告書の監査や書類つきあわせが条件となるのかどうかが重要な論点となりうるのです。

これを条件とされてしまう場合、多くのスモールビジネスが、補償を受けられずに終わる可能性が。。。

きちんと納税していることが、税金による補償の条件となるのは、ある意味当然ながら、そこを厳しくやられてしまうと、マクロの経済効果が半減するかもしれない、、、

実際の手続きとしては、SBA(SMALL BUSINESS ADMINISTRATION、連邦中小企業庁)が政府支援の窓口となりますが、個別のつなぎ資金申請の受付窓口は、一般の銀行となります。アメリカのことだから、統一性なく、混乱しそう、、、

一人で経営しているような不動産管理会社も含め、500人以下のスモールビジネスは、だいたい、対象になることになっているのですが、まだ、今週、詳細が不明な状態で、仕事仲間のある管理会社経営者は、詳細がはっきりするまで、下手な申請はしたくないといっています。

これがスムーズに行かないと、管理会社を畳むケースが続出するでしょう。実際、件の仕事仲間は、「こんなときにこんな事は言いたくないが、これが終わったら、自分は、管理件数が増えていると思う。よそは倒れ出しているから」と言っています。

一人管理業でも、仲介をあわせてやられている方はまあ大丈夫でしょうが、少人数で管理だけをやっているところは、長引くと、危険かもしれません。

SBAの中小企業支援申請書ダウンロード・リンクは、下から。

関係ありそうな方への拡散もぜひ。【問題は、Request for Transcript of Tax Return (IRS Form 4506-T) が必要になるかどうかです】

Economic Injury Disaster Loan Assistance

以上、駆け足で、不動産投資関係者にとってのコロナ不況の動向を概覧しました。州や都市で多少状況が異なるかもしれません。アリゾナ州なんかは3月31日に操業休止命令が出たので、これからなのかもしれません。

州ごとの動向は、グーグルで州ごとにされてみてください。

役所は、民間と違い、リモートワークは難しいだろうな、と思っていたところ、良いニュースも。ミシガンは、裁判所が、一部リモートオペレーションができるようになるそうです。

実は、コロナで裁判所が閉鎖する前に、一件、ミシガンで、滞納案件の差し押さえに入り、競売の日程が決まっていたのですが、そちらは、4月末の競売が予定通り無事に行える、その段階で、予定通り、物件は、当方名義になると、ブローカーは言ってきていて、ホッとしました。

最後に、参考に、私が見つけたある弁護士事務所の連邦、各州レベルの最新情報をまとめたサイトをご紹介しておきます。外部リンクですので私は関知しておらず、もっといい情報源もあるかもしれません。

Exploring issues at the intersection of law and public health emergencies.

最後に、州毎の情報や、私の情報に間違いがあるなどございましたら、よろしければ、ご一報ください。

この記事のまとめ

賃貸経営されている方は、大なり小なり、ご懸念があるかと思います。

エアービーアンドビー(AIRBNB)やバケーションレンタルをされている方は、、、全滅になっているでしょう。

長期賃貸の方も、現在、キャッシュフローについては、場合により、ここ数ヶ月分をギブアップすることになる可能性が高いでしょう。

投資をされている州の状況をウオッチングされてください。

一般向けの居宅は、当面のテナント被害以外には、この問題が解決すれば、居宅の資産価値自体への長期的波及は、それほどないのではないかと思います。もちろん、ロスを回収し、また、中古市場が正常化するには、1年では足りないというケースがあるでしょう。

海外投資家に対しては、政府補償等はないだろうと思うので、米国外居住で、レバレッジ、つまり、ローンを組まれている方、本業収入からの補填を強いられ、困られることになるケース、あるかもしれませんね。

また、投資物件、例えば、二世帯住宅や四世帯住宅などの投資家のオーナーチェンジ案件、商業案件は、投げ売りが始まっている状況があるかもしれません。

私の案件に投資してくださっている方々へは個別に投資家向けメールを出していく予定ですが、基本、私達の方は、ご心配は不要ですので、ご本人様、ご家族様のご健康にまず留意され、ご本業にご専念ください。