個人名義で米国不動産を持ったまま、安易に死ねないそのわけは、PROBATE(検認裁判)です。
米国では、死亡時に、米国に資産があると、裁判所で相続手続きを行わなければならなくなります。家族が全く興味を持たないようなら、高齢になるまで、個人名義で、手広く米国資産を持ち続けることのリスク対策としては、米国で、遺言書を残すなどの具体的な手当てを施す必要があります。
「アメリカ不動産投資で資産倍増中」ブログの中山道子です。
最近、文章だけでなく、ビデオと合わせたブログ記事に挑戦しています。より分かりやすく親しみやすくなればと思っているのですが、よければ、感想を教えてください。
さて、今、1年間コース、有料の投資塾というマンスリーレクチャーをやっているのですが、参加者様の一人が、日本在住なのですが、長期に、不動産を米国で持っておいでで、それをLLC名義に切り替えることに意味はありますか、というご質問がありました。(投資塾については、こちらからどうぞ。今からでも興味がある方はご相談ください。)
実は、過去に買った物件が大いに値上がりしている場合、それを、自己運用LLCであれ、名義を変えるためには、まず第一に、日本側では、「現物出資」であることをもって、「譲渡」のような形になるので、個人でキャピタルゲインを日本で申告納税する必要があるらしいです。
米国の税務当局に対しては、そのような必要はありません。米国では、個人LLCは、個人の所得と同じと扱われるからです。
それでは、この方の場合、LLC名義にすることはメリットがないとすると、その次の課題として、老後に、長期にわたってホールディングすると、何が起こるかというと、「個人所有のまま、不慮の相続が起こる」ことは、何としてでも避けなければいけません。
理由は、米国では、遺言を残さない相続は、すべて、「裁判所行き」になってしまうからです。というのが、上のビデオのご説明の内容です。
米国で、遺言を作っておけば、検認裁判所(PROBATE COURT)を避けることができます。それも何千ドルもかかりますが、、、
私の両親も、昔の日本人でしたから、相続対策なんて、言われるだけで、嫌な顔をしていました。ただ、投資等に熱心でなかったので、死亡時に、それほどの手間はありませんでした。
海外投資に熱心な方の場合、「自分が死んだ後のことは、勝手にやってくれ」は通りません。くれぐれも、投資は計画的にどうぞ。
この記事のまとめ
法定相続の便利さに慣れきっている日本人にとっては盲点!米国の相続システムは、日本と真逆です。まず裁判ありきで、裁判を避けるためには、遺言を作る必要があり、弁護士との打ち合わせは結構な面倒です。
もう一つの対策として、信託を設定することを勧められる場合もあるでしょうが、どのシステムが自分の現状に最適かは、日米の税理士、弁護士と細かく突き詰めなければならない事項で、数年がかりに検討をしていくレベルの相当なプロジェクトになります。費用も相当掛かります。
不動産の価値が億単位に届くという話なら別ですが、米国に係累はない、ビジネス英語も不得意で、安い家を1、2軒持っているというレベルなら、あまり高齢になる前に、米国の不動産は売り、自分の代で日米申告を終わらせ、別の形で遺すのが一番楽かもしれません。
こんな本もご参考にどうぞ。