米国不動産 節税対策の注意点 テンサーティーワン・エクスチェンジとは何か

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログ管理人の中山道子です。

今日は、1031 EXCHANGEについてのご質問にお答えしました。

この記事の概要

テンサーティーワンエクスチェンジは、米国不動産の買い替え特例。キャピタルゲインの支払いを繰り延べできるので、利用の仕方によっては大きく資産額を増やせるチャンスですが、注意点も多々あります。

米国で不動産を買って、利益を確定し、買い替えしよう、と考えた場合、キャピタルゲイン税がかかります。

通常なら、長期キャピタルゲイン税率は、連邦で15%、それから州税がある場合はそれが4%くらいかかるイメージなのですが、このキャピタルゲイン税を払わず、再投資をすることができるのが、1031 EXCHANGE という制度です。

趣旨としては、不動産売買の振興のため、どんどん買い替えしてほしい、よりビッグな投資をしてほしい、ということを前提にしているのだと思います。

具体的な手続きとしては、売却をする前の段階で、1031 AGENT に連絡をして、段取りをし、売却益は、すべて、エージェントの会社のエスクローに置いておきます。

自分の口座に振り込んだ分は、キャピタルゲイン税の対象になります。

気を付けるべきなのは、米国外の居住者の場合。

日本在住者の方に、この制度について聞かれることがありますが、米国でテンサーティーワンに成功しても、日本では、申告のみならず、キャピタルゲイン税の納税義務が発生しますのでお気を付けください。

というのも、日本は、グローバルタクセーション(GLOBAL TAXATION、全世界所得に対する課税)制度を採用しており、海外の所得に対しても、日本に申告納税をする必要があるからです。

日本には、買い替え特例制度はないので、米国の制度は日本での申告にあたっては尊重されません。通常、欧米先進国は、米国、日本を含め、こうしたグローバル課税制度を採用しています。

それに対し、グローバルタクセーションを採用していない国、例えば、シンガポール、香港のようなオフショア国、発展途上国などに居住されている方は、米国での申告だけ済ませれば、こうした居住国では、特に報告は不要ということになるのではないかと思います。

細かいことは、居住国の税理士さんと相談をされてください。日本の場合、普通の税理士さんは、海外の売買については知識がないので、税務当局に問い合わせをしたり、自分の顧問税理士さん以外の先生であって、海外のことに詳しい方に、単発的な相談をする必要が生じる場合もあります。

米国居住者や、非居住者向けローンが取れる方は、この1031と融資を両方使うことが可能です。うまく波に乗れれば、レバレッジをかけて、資産を増やすことができるシステムでもありますが、以下の方には勧めにくいので、気を付けてください。

★ 日本居住者。
1031をやるメリットがあまりないので、気を付けて。

★ 英語が不得意な方。
米国人エージェントとの直接のやり取りに自信がなければ、通訳や翻訳をしてくれる人に相談をするコストがかかります。

★ ビジネスに慣れていない方。
提出書類や、守らなければいけないルールがいくつかあるので、ご自身の米国側税理士、1031エージェント、買い替えをする不動産エージェントの3者の方々と確認をしながら、ことを段取りよく進める必要があります。

★ 忙しい方。
上の条件をクリアしていても、夜や週末まで本業にかかりきり、といったような方には難しいと感じます。

こういうことができるレベルの方なら、これ以上のご説明がなくとも、この記事で「こういう制度がある」ということがわかれば、あとは、ご自身で、勝手にグーグルで英語で制度を調べ、1031エージェントを探せるでしょう。

この記事のまとめ

1031 EXCHANGEがメリットがあるのは、米国居住者や、GLOBAL TAXATION制度を取っていない国に居住する方かと思います。

日本居住で本業が忙しい方、ビジネス英語に自信がない方にとってのハードルは、高いです。