アメリカで、居宅用不動産経営を行うプライベート・エクイティ・ファンドの共同経営者をやっている中山道子です。
私どものやっているファンドの構造自体は比較的単純で、
■ 要修理や割安の居宅用物件を購入
■ 修理し、賃貸に回す
■ 短期には、毎年の減価償却や賃料収入を得る
■ 長期には、エクイティを成長させる
というビジネスモデルで、個人が行う経営戦略と変わりません。
《私達が経営するMTMAファンドの特徴》
それでは、どこが違うのかというと、スケール・メリットや、プロによるポートフォリオ管理ですね。
《購入時に要修理やお買い得物件なので物件価格が割高なときも投資できる》
《物件価格が下落する際には、更に買い増しをし、市場復活を期することが可能》
《全体としてのポートフォリオ管理をするので統計的科学的経営が可能》
例えば、一個人が、自己資産100万ドルを投資するつもりでも、最適なタイミングでは行えません。今、100万ドルを使ってしまえば、数年後に市場が後退した際、追加の「ナンピン買い」をすることは難しくなるでしょう。
ファンド形式になっていれば、まさに、それが可能です。
また、個人の不動産経営は、よほどの規模にならない限りは、週末起業。それに対し、私達ベテランが、日中の業務として組織立って取り組みます。
購入時は適正家賃だったのに、管理会社の言うままにしていたら、いつの間にか、賃料が現状と大きくかけ離れてしまった、しかし、管理会社は値上げに応じてくれない…
私自身、経験があります。個人レベルだと、「そうはいっても、テナントを入れ替えるとリスクがありますからね」とあしらわれてしまい、おしまいです。
また、実際、3戸や5戸程度しか持っていなければ、その1戸に穴が開けば、空室率は大きなダメージとなります。それに対し、ファンドの規模なら、5%や8%といった理論上の空室率が常時維持できるようになります。
デトロイトのような場所で投資をすることのメリットは、高キャッシュフロー戦略であるということのみならず、減価償却が取りやすいこと。土地比率は、実に平均すると、購入価格、査定価格の10%程度です。
特に、私達のファンドの強みは、「地元の不動産業者とウオールストリート式機関投資家経営」が両方実現できることになったこと。
私とデトロイトの管理会社を経営するムサさんは、地元志向、三人目のトッドさんは、機関投資家レベルの経営ができるため、両方のいいところどりを実現することができました。
《29戸の物件購入について》
さて、前置きが長くなりましたが、今週は、29戸の物件の審査を行っています。別のファンドを経営している会社が、流動化が必要になったということで、例によってすぐ動かないといけないということで、個々の物件の検討をしています。
Googleマップに住所のファイルをアップロードすると、場所のピンがすぐ出るので、早速やってみました。これで、だいたい、場所の分布のイメージが付きます。
これらの経営中の物件のメリットは、ほとんどの物件で、賃貸経営が進行中であること。売り手が、このポートフォリオを売却するに当たり、きちんとした値段をつけ、市場に出す余裕がないため、割安で購入する前提であるほか、賃料も割安なので、今後賃料をアップしていくことを考えながら動くことになります。
賃料の値上げは、最終的には、テナントさんとの合意事項なので、経営が長期化したため、まさに、一部のテナントさんは、格安で、長年、物件に居住し続けてきた状況。ここからすぐに「賃料を倍」にすることはできないため、最終的なリターン目標を実現するのには多少の年月がかかります。このように、シミュレーションには、複数の要因があるため、正確に利回りをすぐ出すことには慎重にならざるを得ないのですが、いろいろ侃々諤々と会議をしているところです。
取得するにしても、今後1,2ヶ月かかります。また投資家様にはご報告をしていきたいと思います。
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