米国住宅、空室率は 1.3%! ATTOMデータ速報

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

久しぶりに、ちょっとデータを紹介。

米国の空室率ってどれくらいだと思われますか?

日本では、少子化と相まって、空き家問題が取り沙汰されますが、米国の強みは、ここに来てやはり、経済力の底力。

トランプ政権以来、移民が減ったりしても、コロナで赤ちゃんの出産数が増えたりと、成長指標には色々な要因がありますが、アトム社のデータが届いたので、紹介しますと、現在の米国の居宅の空室率は、実に1.3%という数字です。

Zombie Foreclosures Keep Increasing But Remain A Tiny Presence Around Most Of U.S.

統計にはいろいろなデータがあるので、一つの数字を絶対視するのではなく、その数字をコンテクストで追うことが必要です。

第一に、このデータは、上のページの注意書きによると、

1)地元自治体の課税評価課(county tax assessors)から取得
2)都市圏については、居宅総数が10万戸以上、郊外については、5万戸以上のエリア

から101M(1億1,000万)戸のデータを抽出したとのことです。

過疎地等の物件を加算すれば、空室率は高まるでしょう。

最近、米国主要都市での商業不動産の空室率が取り上げられ、危機感を煽るような報道がされています。


米オフィス空室率、06年以降で最高 賃貸物件に再利用も

報道されている内容自体は事実なのですが、印象操作に注意しましょう。読み流して、「アメリカ不動産、やばいのか?」とひとくくりにしてはいけません。

商業不動産(commercial real estate)と居宅用不動産(residential real estate)は、そもそも、全く違ったカテゴリーですし、同時に、商業不動産のカテゴリーの中で見ても、今よく報道されているオフィス物件というのは、そのうちの1カテゴリーに過ぎず、例えば、それ以外の INDUSTRIAL 枠(工場や研究所、倉庫等)や、MULTIFAMILY 枠(日本で言う一棟ものマンションやアパートメント等大規模居宅)は、好調です。

脱線しましたが、そんなわけで、一つの調査方法によると、当面の住宅空室率は、1.3%と、ほぼ満室状態。

居宅用不動産に限ると、フォークロージャー率がすごく伸びているといったあおり報道が盛ん。例えば、ブルームバーグの下の記事ですね。

More Americans Are Losing Their Homes as Foreclosures on US Properties Rise

内容自体は、これも不正確ではないのですが、やはり、読み流してしまうと、この1年で、フォークロージャー率が2割以上、ぐんぐん上がっているというような印象で終わってしまうかもしれません。

この記事には、細かい背景説明がないので、コロナ大流行中の2年前には、政府が、フォークロージャーを禁じる措置を発令していたことを思い出す必要があります。

新型コロナでアメリカは裁判所がダウン!建物明渡しも強制執行もお預け

ほぼ、ゼロだったところから、ようやく解禁になり、結局、まだ、直近コロナ前の数字まで、届いていないくらい低いわけです。救援措置が功を奏したのですね。

そのため、去年と比べて2割上がっていても、それが何だ、ようやく適切な不良債権立て直しプロセスが正常化しつつあるということなんだ、というのが正直な感想です。

こんな中、違う観点から、米国居宅不動産の強さがわかるのが、今日紹介した、空室率です。

ちなみに、賃貸経営用の物件の空室率は、通常、一般空室率より高く、ATTOM社のこのデータでは、取り上げられていません。別のデータ、政府労働局統計を見ると、直近5.8%です。

Rental Vacancy Rate for the United States

これも、歴史的に低めですし、賃貸物件は、米国では、契約が、日本と違い、1年単位であること、入れ替わりやリフォームなどが定期的に入ることを考えると、ほぼ、TURNKEY、つまり、修理が終わって、きちんとフォーレントが掲載できている物件は、右から左に、入居させられている状況なのではないでしょうか。

細かく見れば、空室の一部は、管理者が理想のテナントさんを求めてあえて開けている場合も入ります。私の物件が空室になるときも、マネージャーさんは、大変丁寧にスクリーニングをしてくれて、最初に来た人を適当に入れるようなことは絶対しません。

経済力や底力という言い方をしましたが、広いアメリカ、気をつけなければいけないポイントがたくさんあることは間違いないからです。

最後に、もちろん、これは、FORWARD LOOKING データではなく、集計に通常2ヶ月かかりますので、今後を予測する先取り指標ではなく、消費者の動向や失業率など、ホームオーナーや賃借人の経済力を確認していく必要はあります。

賃貸経営の悩みについては、言い始めればキリがありませんが、下では、最近の傾向として、ペットについて、言及しました。

「ペット不可」物件の行方!エモーショナル・サポート・アニマルって分かりますか?

以上、アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログ管理人の中山道子でした。

私の近況としては、現在、既存顧客様のお世話で、なかなか、ブログアップに至りません。不動産は、ブツ、つまり、投資に適当な対象があってはじめて、セールスができるので、現在は、クオリティの高い投資対象を丁寧にスクリーニングして、出たら、内々で消化して終わっている状況が続いています。

今後は、自分のキャパをアップできるかどうかが、私の課題となりそうです。