最近、ファンドのために物件購入戦略に転じました。
現在、不動産市場が上向き続けるのか、多少の調整が入るのかが不透明なため、この状態で利益を確保する他の戦略を展開していくために、物件購入の方に目を転じています。
実質上、相当な割安価格で購入しない限りはメリットがないため、大きめの物件については、残念ながら、売り手からの「ノー回答」が続いています。(写真は素材写真で、実際の買付証明に関する写真ではありません)
この前特にディープに検討した物件は、銀行払い下げ物件。150戸ほどの2ベッドルームから構成される大型アパート物件で、1割程度しか賃貸中ではなく、その賃貸状況も、契約書などどこにいったかわからないといった大型フィックスアップ案件。
共同経営者が建築会社を経営しているため、オファーを入れる前に全面的に、無料で、しかも最速で、修理見積もりを取ってもらうことができました。通常のフィックスアップのほか、電気、水道、屋根から一切合切です。通常、業者さんに来てもらうときは、なかなか都合をつけてもらうのが難しいほか、見積もりが有料になる場合もありますのでこういう贅沢ができるのは、ありがたいことです。
このように、買付証明を差し入れる前に、丁寧な総合的な見積もりができたのは良かったのですが、そこで、想定外、100万ドル単位の修理が必要なことがわかり、それから逆算して買付証明を出しました。特にわかりにくいが重要だったのが、屋根。安めの一棟物件というのは、平たい屋根であることが多いところ、デトロイトは、積雪するエリアで、周囲の植栽も大きくなってしまっていたため、「見たら、今年の冬を待たず、変えなければいけない」という緊急性だったということでした。ここらへんは、普通はなかなかすぐ判断がつかないところです。
売り手は払い下げを受けてから何もタッチしておらず、病気になったため、手放したいということになったということですが、払下げの値段がわかりません。
売り手の仕入れ値にかかわらず、こちらが利益を出さないと買うことはできないため、修理見積もりから逆算した当方の強気の?買付証明を出し、結局、「ノー回答」が帰ってきてしまいました。
確かに、ここまで丁寧に事前にデューデリができる買い手ばかりでないので、他の購入希望者は、より高いオファーを出して来ていたことはわかっていました。ただ、当方の直前の2つのオファーは、どちらも、暗礁に乗り上げていたのです。
戦略的にいって、まずは、より良い条件でオファーを出して買付証明に合意をしてもらい、そこから、「デューデリで思うより修理代がかかる事がわかったから」といった値切りに入ったほうがよかったのかも。
次にオファーを出す買い手が、<より高いオファーを出して、その後デューデリをするも、結局数字が合わない、修理が大掛かりすぎることがわかり、やはり購入しない>といったことがあれば、今後、当方にまだ問い合わせがあるかもしれません。ただ、それが、来年だと、屋根の漏れに基づくダメージが更に大きくなってしまうことが予測されるので、購入価格はさらに大幅に下げないといけなくなります。
現在、ホールド戦略については、共同経営は3人で合議制でやっているので、冷静にオファーができるため、このような「ノー回答」が続くことは、覚悟の上進めるしかありません。