アメリカ不動産投資で資産倍増中!ブログの中山道子です。
この前、SNSの画面で、お知り合いが、「ワイドショーで取り上げられているけど、地面師ってなんだろう」とコメントされており、ずいぶん古い言葉?が突然でてきたな、とニュースをチェックしたら、
大手住宅メーカー、積水ハウスが、某一等地の不動産を、新築マンション建設のため、購入し、代金70億円だか、そのうちの55億だかを払ったのにもかかわらず、名義移転ができず、売り手側が連絡を絶ってしまった、
というニュースに触れました。今日は、この例を取り、「米国だったら、こういう時、どうなるか」を考えたいと思います。
この記事の概要
アメリカでは、不動産売買にあたっては、買い手は、名義移転保険を購入する。手続きは2重になっていて、まず、物件を売買するために、保険を申請。
保険会社は、案件が決済可能かの下調べを行った後に、「これこれの諸条件に基づく決済を行えば、保険を発行する」という「確約書」を発行。これを、TITLE COMMITMENT と呼ぶ。
決済確約書が発行された後に、該当保険を販売する保険代理店で決済を行うと、指示条件が総て満たせた段階で、保険が自動的に発行される。
不動産売買の場で、名義瑕疵保険が購入できたのにもかかわらず、名義が変わらなかったとしたら、そのリスクは、名義瑕疵保険を発行した保険会社が負うことになる。
そもそも、地面師というのは、
「土地の所有者を装って、第三者に、自分の所有していない土地を売るスタイルの詐欺師」。
そういう言葉が昔からあるということは、昔は、よほど、よくある詐欺のカテゴリーだったのでしょうね。昔なら、登記局にいって、書類を差し替えるだけでよかったってことですか?
今回の事件では、すでに関係者が何人も逮捕されているようですが、それでも、首謀者の一人は、なんでも、フィリピンに国外脱出してしまったとか。事実は小説より奇なりですね。
この積水ハウスの事件の概要は、私はいくつかの新聞記事に目を通しただけなので、よくわかりませんが、一般論として、米国であれば、どうなったかということで、ご説明をしたいと思います。
米国では、なんでも、こういうときは、保険です。
不動産売買専用の保険が、
TITLE INSURANCE
という保険。日本語でこなれた訳があるか不明なので、私は、権原瑕疵保険といった言い方をしています。名義に傷があるかどうかに関わる保険という意味です。
専用の保険会社が発行します。
また、この名義保険というのは、決済代行会社経由で発行されます。
米国では、司法書士のような役割を演じるのが決済代行会社(TITLE AGENCY)というライセンスを必要とする会社。これらのタイトルエージェンシーは、複数の役割を持っていて、実は、その役割の一つが、
権原保険の代理店
なのです。
なので、ふつうの保険代理店、INSURANCE BROKERAGE のようなところに行っても、そういうところで扱っているのは不動産購入後の火災保険や車両保険なんかであって、タイトル保険は扱っていません。
タイトルエージェンシーは、売り手、買い手両方に対して中立的な立場から、売買を進める役割。名義に瑕疵があるかどうか、移転可能かどうかは、タイトル保険会社のほうで、調査を行います。
その調査のことを、
TITLE SEARCH
といいます。
名義瑕疵があるかどうか、名義が移転可能かどうかを確認する法的リサーチ
です。
米国では、上の図のような形で、きちんとした売買契約を締結し、プロセスを踏めば、地面師に翻弄される可能性は、あまりなく、もし、そうなったら、名義保険が使えるということになるだろうと思います。
こういう時、弁護士を専用で雇えば、相当なお金を払わなければいけないですが、決済代行会社のタイトルサーチは、全米レベルの保険会社のリソースをフルに駆使してもらえる心強いシステム。
その結果、「保険が発行できない」=「名義が当方に法的に変えられない」ことがわかった場合は、リサーチに対するサービスフィーを払わず、無料で、済ませられます。
それでは、米国の不動産取引は日本よりずっと安全なのでしょうか?
ははは。そんなわけがありませんね。
セミナーでは、私が、この15年で見聞きした「身の凍る経験」をした日本人投資家たちのお話を、たくさんさせていただきます。
2018年11月10日新橋セミナー、お見逃しなく。
この記事のまとめ
米国では、不動産決済には、購入時の名義移転を確保するための保険購入が定番。必ず手順を踏み、保険を購入しましょう。
<追加コメント。 日本でなら、行政書士の賠償責任保険が該当するところでしょうか。>