アメリカ不動産投資家、転じて、にわかプライベート・エクイティ・ファンド・マネージャーの中山道子です。現在、ファンド正式発足準備のため、物件取得しまくっています。8月上旬に取得を始め、すでに、合計55室の取得目処が立ちました。次に検討している物件は、56室。一戸建て取得は、手間がかかるので、規模の大きい居住用の商業物件(5室以上のMULTIFAMILYのこと)が取得できれば、ペースが加速しますが、ノウハウやペースがまた多少違います。
今日は、2棟14室の物件をこの8月末に取得しているので、その物件の進捗状況を見ていきます。
写真を見ていただくとわかるように、外見は、何の変哲もない物件。6室の建物と8室の建物が並んでいて、この通りは、こういう<日本式に言うアパート>が立ち並んでいます。
エリア全体の値上がり自体は、正直、あまり期待できないエリアと踏みましたが、安定経営をするには十分。ファンドとして初めてのアパート物件取得のため、進捗状況を丁寧に見ています。
購入して旨味があるのは、要修理、空室物件。この物件の場合は、一室が火事が出たまま、放置されており、他の部屋には、テナントも何人もいるが、レントロールはなく、「現状有姿、全く情報無しで買ってくれ」という海外在住の売り手からの取得となりました。
屋根やボイラーなど、共有部分の大掛かりな修理だけは、直近、ほぼ不要なことだけは確認したものの、それ以上はブラインドでの購入。
《一室、修理に3万ドルかかると覚悟して見積もり出そう、あらかた強制退去だし。》
というのが取得担当パートナーの当初の大雑把すぎる見積もりでした。
購入価格は、2棟で、43万4,000ドルほど。1室につき、3万1,000ドル換算となります。賃料は、当初の見積もりで900ドル、修理代が1室3万ドルですから、合計すると、1室6万ドルが目標となるわけで、格安というわけでもないので、私はそれほど前倒しではありませんでした。
細かい話はここではしませんが、種明かしをすると、この物件取得は、サイレントパートナーがおり、購入と修理金額は全面的に支出していただける前提での買付でした。そのため、当方は、しっかり立て直しさえできれば、そこまで強欲に、高リターンを追求する必要がなかったのです。腕鳴らしとしてはちょうどよかったです。
そして、取得から、4週間強。その間に、嬉しい予想外、大変多くのことが達成できました。
6室の建物の方の現状
1 | 2726 | major repairs | fixing up |
2 | 2730 | Eviction notice 9/30 | eviction |
3 | 2734 | lease renewal | 950 |
4 | 2738 | lease renewal | 800 |
5 | 2742 | lease renewal | 740 |
6 | 2746 | Eviction Notice 9/30 | eviction |
8室の建物の方の現状
1 | 3475 | lease renewal | 900 |
2 | 3481 | lease renewal | 850 |
3 | 3485 | Eviction notice 9/30 | evicting |
4 | 3489 | Repairs | fixing up |
5 | 3491 | lease renewal | 950 |
6 | 3495 | lease renewal | 735 |
7 | 3497 | lease renewal | 880 |
8 | 3501 | lease renewed but evicting on a bad check | 900 |
多少説明をしますと、前の経営者のときに入居していたテナントさんは、賃料支払履歴未確認で経営を開始したのですが、パートナー管理会社が、個別にやり取りをしてくれたところ、実に、14室中9室、更新できたわけです。ただ、そのうちの1室だけは、小切手の支払いがあったものの、その小切手が焦げ付いたため、結局強制退去の手続きに入った状況。現在、合計4室において強制退去手配が始まりました。そして残り2室は、大幅修理に入っています。
デトロイトでは、遠方の不案内な投資家が、手に負えない物件を購入してしまうということがよく起こります。この物件も、アジア在住のこの投資家は、信頼できる管理会社が見つからず、物件管理に手を焼いて、ロスカットをすることになったのだと思います。
賃借人さんの方も、実は被害者。アパートに入室したら、共有エリアの管理はなっておらず、誰に賃料支払をしたらいいのかもはっきりせず、室内修理の連絡を依頼しても、対応してくれない。ちゃんと賃料を払う気があっても、対立してしまうケースもあるでしょう。そのため、責任のある対応をする管理会社が登場すると、喜んでくれる、そういう形で新しい関係が開始できた、そういう状況だということです。
当初、収入が入ってくる目処はあまり立っていませんでしたが、
■ 強制退去4室
■ 修理2室
■ 経営開始8室‐合計家賃は6,805ドルで平均賃料は850ドル
■ 各種支出合計は今のところ7万ドル
というまずまずの成績が出ました。
最初のアンダーライティングの見積もりにおいては、
■ 修理に14×3万ドル=42万ドル
■ 賃料900ドル
という目標でした。新しく募集をする6室は多分家賃900ドルが取得できますが、既存テナントさんの一部は、割安賃料でスタートしています。強制退去の4室は、退去に3ヶ月、修理に3ヶ月、入居に1ヶ月で、7ヶ月はかかるでしょうが、現在修理に入っている2室は、2月くらいまでには入居が決まってほしいものです。その間、現在契約が正式更新できた方の一部は、焦げ付いたりと言ったドラマもあるかもしれません。そのため、修理支出総額がどれくらいになるかは、まだ判断が難しいところ。
まずは取得1ヶ月の成果は、覚悟を大幅上昇修正する嬉しい状況だということ。
12ヶ月後には、ほぼ、満室経営、平均賃料は875ドルくらいを目指すことになりそうです。また1年後に、投稿します。