アメリカの小切手システム説明 Personal Check, Cashier’s Check, Bad Check, Canceled Check

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

アメリカの小切手は、なんとも面倒。いくらいっても、しかたありません。ここでは、チェックの種類について。

この記事の概要

パーソナルチェック personal check というのは、個人振り出しの小切手。銀行が振り出した小切手は、cashier’s check といいます。

不動産決済の場合、パーソナル・チェックを使うことは許されません。送金でなく、小切手形式で決済を済ませたい場合は、銀行振り出し小切手を組んで赴きましょう。

これらの違いは、ずばり、信用度。

個人の小切手を振り出しても、その人の口座残高が十分とは限りません。残高がないことを前提に、空の小切手を振り出すと、場合により、詐欺とみなされ、逮捕され、刑法上の有罪判決が出て投獄されることまであります。一般には、そこまでは行きませんが、民事上の事故として記録に残され、銀行との取引記録に傷が残ります。そして、こういうことをやると、銀行口座自体を閉鎖されてしまい、よその銀行も、口座開設をしてくれなくなります。

受け取る側にとって、一番面倒なのは、一回、チェックをもらってそれを自分の口座に振り込み手配【deposit、デポジット】しても、相手が、資金繰りでショートしていると、魔法のように、そのお金が、結局「回収」されてしまうということが、数日後に起こるということ。

私も、一回やられたこと、あります。郵送でチェックをもらい、デポジットしたら、入金後数日たって、オンラインで跡形もなく、消えていました、、、

こういうのを、bad check, bounced check といいます。信じられない、後進国、アメリカ、、、お金がない人は、わざとこういうことをやっておいて、時間稼ぎをするのでご注意。

それに対し、銀行が振り出しているチェックは、cashier’s check といって、その銀行が、資金を保証しているもの。究極の事態として、その銀行自体が倒産の危機に瀕している場合には問題が生じるかもしれませんが、基本、金融機関の信用力が前提なので、平時には、現金と同じ力があります。

そのため、具体的な違いとして、一般の取引では、個人振り出し小切手 OK ですが(例えば、スーパーで、あるいは、不動産の買い付け証明の際に添付する手付、earnest deposit の小切手として)、不動産の本決済には、個人の小切手は、使うことができません。

以上のように、チェックが、good か bad かが、はっきりしない状況がありうるからで、そんな危なっかしい決済方法で、不動産の名義を移転することは、ありえませんね。

ですので、たまに、「チェックではだめですか?」といわれますが、不動産のクロージング【契約締結】にあたっては、必ず、送金【ワイヤー、wire】、または、cashier’s check のいずれかである必要があリます。

アメリカ在住なら、cashier’s check は、自分の銀行にいって、自分の口座の残高を確認してもらいながら、発行してもらい、そのチェックを持って、タイトル・カンパニーのところに、書類のサインとあわせて、立ち寄るイメージ。

日本からは、普通は、アメリカの銀行のキャシアーズ・チェックを振り出してもらうことはできないですが(日本国内で流通する小切手は発行してもらえる)、外資系の銀行であれば、米国で通用する銀行振り出し小切手を組むことができるでしょう。

昔お手伝いしたお客様で、当時日本でまだ営業をしていたシティー・バンクの cashier’s check を現地に持っていって、クロージングされた方がいました。

こういう場合は、念のため、指示された金額より少しだけ大きめの金額に基づいて、小切手を作っていくことをお勧めします。そして、もし、決済でお金が余った場合は、あちらから、小切手で差額を渡されることになります。あるいは、差額が出た場合に備えて、100ドル単位の多少の現金を用意することで対応することも可能かと思います。

最近は、オンライン送金がだいぶ楽になってきていますので、わざわざ、銀行振り出し小切手を決済に持っていく人は少なくなってきているかもしれません。

この記事のまとめ

Personal Check 個人が振り出す小切手で、口座にお金がなくても振り出せるため、信用力は低い

Cashier’s Check 銀行振出小切手。銀行で、この小切手を組んでもらう段階で、自分の口座からお金が引き出され、そのお金を銀行が担保する形です。そのため、不動産決済に利用できる信用力があります。

Bad Check 口座にお金がないのに小切手を振り出してしまう不渡り。賃借人がこれをやるときは、デフォルトを先延ばしする確信犯なことが多いです。

追加ボキャブラリー

Canceled Check デポジットが終わった使用済み小切手。支払い証明にもなる。

キャンセル・チェックは、後日、支払い証明に使われる場合があるので、必要があれば、キャンセルされた小切手、または、小切手番号(小切手の右肩にある)を一定期間保存しておきましょう。

なぜ、ちゃんと使用できた小切手が、CANCELED なんでしょう。不思議で仕方ない、米国の小切手制度です。