モーゲージとは何か 米国不動産投資における抵当権の役割説明

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

この記事の概要

アメリカでは、抵当権のことは、MORTGAGEといいます。州によっては、MORTGAGEのみならず、TRUST DEEDという形式で、抵当権を登記する方法があります。

AさんとBさんとの間でお金の貸し借りをすることになったとします。LOANですね。

ローンというのは、抵当権があろうがなかろうが、借用関係がある場合に使われる用語で、いわば、単なる借金のことです。

借金は口約束でも成立しますが、ビジネス関係であれば、普通は、このローンについては、借用書(PROMISSORY NOTE)を作成することになります。

さらに、不動産を担保にお金を貸し借りする場合は、ローンの詳細を取り決めた借用書に加え、不動産につける抵当権書類を別途作成するわけです。(MORTGAGE NOTE)

そして、借用書に基づき作成したこのモーゲージ・ノートを登記すると、債権者は、当該物件に関し、第三者に対し主張をできる抵当権(MORTGAGE)がつけられた形になるわけです。

ローンの条件を説明する借用書には、「いついくら貸した、金利はいくらでデフォルトの定義はこれこれ、デフォルトした際には法的手段に出るぞ」といった内容が記載されます。

そして、抵当権者の権利を定めるモーゲージ・ノートの内容は、「物件の名義人はこの人(MORTGAGOR)で、抵当権を付けるほう(MORTGAGEE)はこの人・会社である、物件の登記簿上の法的住所はこれこれ、ローンの詳細は、別途借用書参照のこと、名義人は保険や固定資産税支払いを怠らないこと、契約違反があればこれこれの方式に従って訴訟となり強制執行(FORECLOSURE)になる等々」が記載されることになります。

そして、ローンの返済が終われば、抵当権者は、抵当権を抹消します。

普通の方がモーゲージを経験される場合というのは、銀行に融資を受けて物件を購入する場合でしょう。この際には、物件が自分の名義になり、銀行が抵当権者として同時登記されるわけです。

カルフォルニアなんかでは、モーゲージという形式で抵当権を付ける場合のほか、DEED OF TRUST、トラスト・ディードという形式で、抵当権を付けるケースが多いです。

米国の民法は、もともとイギリスの慣習法を踏襲しているので、似たような紛らわしいやり方がいくつもあったりして、細かい部分は、立法のみならず、裁判所の解釈に依拠することになります。

日本と違い、州ごとにシステムが違い、細かく見ていくと、不合理も多いので、気を付けましょう。

この記事のまとめ

LOAN 借金のこと
PROMISSORY NOTE 借用書
MORTGAGE 抵当権
MORTGAGE NOTE 抵当権設定契約証書
DEED OF TRUST モーゲージと類似目的で用いられる抵当権設定契約証書