アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。
今日は、複数世帯住宅への投資の注意点をいくつか。
米国では、日本と異なり、「居宅物件(レジデンシャル)」と「商業物件(コマーシャル)」の差がはっきりとしており、初級投資家が、レジデンシャル投資以上に手を出すことはありません。
両者の区別については、下の記事を参照してください。
ただ、レジデンシャル投資でも、4室以内だったら、複合住宅を買うことは可能で、一世帯住宅と同様に、一般消費者向けのローンも出ます。
そのため、賃料のリターンアップ中心に考える方は、二世帯住宅などを購入することを考えるでしょう。稼働率も、ゼロになる可能性がより低くなりそうですね。
これら、複数世帯住宅は、用語としては、
二世帯住宅は DUPLEX
三世帯住宅は THREEPLEX、TRIPLEX
四世帯住宅は FOURPLEX
です。
いけない戦略ではありませんが、注意点がいくつかありますので下にリストアップしておきます。
複数世帯住宅購入と賃貸時の注意点
1) 電気代や水道代が別々のメーターになっているかどうかで手間が全く異なる
2) 賃借人にはそれほど人気がないタイプの物件です
3) エグジット時には、実需希望者にはそれほど人気がないことを覚悟
第一に、古い物件は、すべて、メーターが一つ。そうすると、賃貸の時、「水道代は込、電気代は込」の賃料で貸すしかありません。この場合、水道代や電気代がうなぎのぼりになる可能性があります。古い物件は、効率性が低いので、本当に寒かったり暑かったりすることも多いでしょう。
メーターを付け替えるのだけだったらそれほど高くないのですが、市役所や電気会社に申請する手間があり、現地でスムーズに管理会社が定型業務として行えることでもありません。
家賃自体は一戸建てより高く徴収できる見込みがあっても、経費も相応にかかってくる可能性があります。
第二に零細大家が経営する二世帯住宅や四世帯住宅というのは、住宅の質がそれなりに高くない限りは、一戸建てや大きめのアパート賃貸に比べ、魅力が薄いので、地域で最もランクが弱いテナントしか入室してくれません。庭などがある場合、4世帯のテナントのどの人も、芝刈りなどやってくれませんので、一世帯住宅を買って、テナントが芝刈りをやるのが常識である状況とは全く違ってしまうのです。
市町村によっては、芝刈りがしていないと、罰金を科すようなところもあるので注意。
第三に、売却時には、「普通に自宅が欲しい人」には人気がないことを覚悟する必要があります。自宅を買う人と投資家の比率は、通常、8対2なわけですから、売却時に、人気が爆発するような事はあまりありません。値上がりも、周囲の実需向け物件より劣る可能性を覚悟しましょう。
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以上、複数世帯住宅のデメリットをいくつかリストアップしました。住宅逼迫度が高いカルフォルニアやニューヨークのようなエリアで、物件がそれなりのランクの品質である場合、これらはあまり問題にならないでしょうが、一般的な市場では、これらの物件は、お値打ち感があるとすると、それは、それなりの物件でしかないことを示すケースがあります。
住宅が逼迫しているエリアでは、古い賃貸向けの二世帯住宅を買って、フィックスアップし、一世帯向けに仕立て直して実需組に売る、といったようなビジネスも成立します。
副業投資家、ビギナー投資家が、長期賃貸を目指すなら、「今の安値」や「当面のキャッシュフロー」ではなく、長期的な成長展望やエリアの安定性を優先することがおすすめだと思います。
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毎回、投資の際の注意点をご指摘していますが、いろいろ細かく面倒なものだと思いませんか?副業の新米投資家でなくても、気疲れは続きます。私自身、長くやっても賃貸経営の悩みがなくならないことに気が付き、別の戦略にシフトしました。もちろん、現在も、米国不動産投資を続けていますが、ずっとストレスフリーに資産活用ができるようになりました。