アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログ管理人の中山道子です。
20年前に始めたときは、弱小個人投資家でしたが、その後、ささやかな経済的独立を達成し、現在は、不動産ファンドマネージャーという肩書に至っています。
ここ5年ほどは、DEBT DEALS、つまり、第三者の不動産に、融資をすることがメインでした。しかし、今年から、居宅不動産の総合戦略ファンド設立へと舵を切りました。その理由とは。
□ 理由その1 こちらがメインで、2つ目は実現可能性に関係します
経済が成長しているときは、不動産融資は、順調です。不動産物件価格が値上がりするので、対象とする担保物件の価値は上昇しやすく、貸しやすいわけですね。
それに対し、経済動向が混沌としてくると、物件価格下落の可能性も前提に行動をしなければいけなくなります。
今回、来年に、全米が不景気に陥るかどうかまでは不明ですが、連邦金利が急上昇したため、特に商業不動産は、自分が何も悪くなくても、物件価格が下がりました。
この不透明なときには、二刀流、つまり、好機と見れば、融資をし、物件価格が下落傾向があると思えば購入に入る、そういうOPPORUNISTIC(機会を見て機敏に動く)ファンドが必要となると判断しました。実際には、2つの投資方法のみならず、多数の投資手法を組み合わせていきます。
□ 理由その2
ファンド業界に明るい共同経営者を得られたこと。
これまで、不動産一筋でしたが、《デトロイトで地元不動産のことなら何でもわかる共同経営者Mさん》と、《商業/居宅案件融資に明るい私》とで、融資ファンドができたところ、今回、《総合ファンド運用に習熟した3人目のパートナーTさん》を得て、3人体制となり、小回りと同時に、全方向に目配りが効く経営体制が発足できることになりました。
アメリカでは、小規模スタートアップを奨励するため、ファンド設立がより容易になっており、行政への報告義務も当然ありますが、REG Dを使うと、最小限のため、この背景が大きな意味を持つことは間違いありません。
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ここで、早速総合戦略ファンドの基本戦略をごくごく大雑把にご紹介します。
■ 物件取得の段階で、エクイティが確保
■ 修理を施し、エクイティを倍増させる
■ 賃貸経営
ここまでで、取得から修理、賃貸付までに、エクイティ2,3割を確保します。賃料のリターン目標は、キャッシュオンキャッシュで、7,8%。
ここまででしたら、ベテランの地元投資家であれば、個人でも、似た数字を出せるかもしれません。それに対し、ファンドで目標とするのは、最低300戸の取得。
この事により、空室率なり、修理費なりの安定が望めます。10軒経営すると、1室が空室になると、空室率は10%。1軒、修理が必要になると、これも全体に大きく響きます。
それに対し、100軒経営すれば、空室率は、常時5%といった低水準で安定させられ、また、修繕予備金の積立などで、毎月のキャッシュフローも、コントロールすることができるようになります。
ファンドの真骨頂はここからでもあります。同時並行して、下も進行できます。
■ 好条件の融資案件が出た場合は、購入ではなく、融資に回すことも
■ ジョイントベンチャーなど第三者との共同事業も並行
さらに、メインの賃貸ポートフォリオが安定すると、下が可能になります。
■ 商業ローンを取得し、キャッシュオンキャッシュリターンを改善
■ 最終エグジットは、収益不動産ポートフォリオとして、上位REITに売却
3人目の共同経営者のTさんは、実は、過去に商業ローンのオフィサーをしていたところから不動産ファンド経営に回った大口大家さん。そのため、彼は、銀行融資取り付けの書類づくりのプロでもあります。
もう一つ、彼の協力が得られることで可能になるのが、ウオールストリート的なコネクション。
彼は、オハイオなどで経営していた戸建ての賃貸経営収益ファンド(つまり今回のスタートアップポートフォリオと同じスタイルのファンド)を、過去に上位の賃貸経営ファンドに売却してきた経験が豊富。
そのため、ポートフォリオ組立時から、運用、最終パッケージングまで、「どうやったら一括で収益物件ポートフォリオとして、売却できるのか、どういう買い手が可能になるのか」といったノウハウに明るいのです。
Mさんと私だけであれば、普通に、現金を投資し、家賃収入が毎年7,8%で終わるポートフォリオで、売却時も、一戸毎にMSL上でバラバラ売却する程度と言った羽目に陥ってしまいかねません。
昔、賃貸経営などローカルなことはほとんどしなかったオルタナ(ALTERNATIVE)のプライベートエクイティが、大恐慌以降、賃貸経営の投資ポートフォリオづくりに奔走しているということは、私も前から報告してきました。
金余りのウォールストリート、手間がかかる戸建て賃貸経営にも進出!
年金ファンドなど、毎月の支払いが重要なファンドは多数あり、現在は、それこそ米国債の金利が高めとはいえ、今後ずっと連邦金利が高いままであるわけではないわけで、この「ウオールストリート、プライベートエクイティ、企業経営の大家業」動向は今後、既定路線となってきているというのが専門家の考え方だと思います。
最新のニュース例としては、例えば、下を御覧ください。
Wall Street has purchased hundreds of thousands of single-family homes since the Great Recession.
現在、賃貸市場の約3%くらいが、企業経営の大家であると言われています。まだ、大した比率ではまだありませんが、重要な市場で地域独占を目指すケースが多く、目立つことも確かです。政治家には当然不評な動きではありますが、今後、米国も、持ち家を目指す(事ができる)層が減っていく、それが、大局の読みとなります。