新規雇用が不要な起業が再度達成できました CHATGPTで不動産ファンドが経営できるわけ

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログ管理人、レジデンシャル不動産プライベートエクイティファンドマネージャーの中山道子です。

私は、ブロガーとして不動産投資コンサルティングのキャリアをスタートしたので、いわば、テクノロジーのその時ごとの進歩に応じて、成長をしていくことができたと思います。

具体的には、ブログ経由で、紹介料やマーケティングコストなく、投資家様とお知り合いになり、10年単位のリレーションシップを築くことができました。

また、そのプロセスの中、いわば何度もビジネスモデルを変えたため、プチ起業を繰り返した状況です。

今年の起業は、より大掛かりですが、これまでの要領で、「脱皮」程度の努力で、模様替えができました。しかし、それと同時に、今回は、一人起業ではなく、ビジネスパートナーたちが得られたため、大きく成長する可能性を感じ、ワクワクしています。

私たちの現在の仕事は、ファンド経営のための以下のようなものです。

■ 不動産取得、修理、賃貸客付け
■ 投資家募集

ここで、不動産取得時のUNDERWRTINGが問題になります。日本語では、正確な対応語がないようですが、不動産取得時の取得基準を満たしているかを表現する基準となります。例えば私のファンドの場合、投資家様に対し、優先配当をする義務があり、それが年間8%なため、自分たちもがこの《投資組合》経営で利益のおこぼれに預かるためには、それを大きく上回らなければいけません。

そのため、取得時目標は、全体として、

> 家賃純キャッシュフロー目標:7,8%
> 取得時価値創造目標:2,3割

です。

どちらも、すべての物件について同じレベルで実現する必要はなく、例えばある物件は、価値創造力が4割5割あり、その反面でキャッシュフローはあまりないといったこともあり、また、逆もありえます。そのため、ポートフォリオ全体のバランスを見ながら行う必要がありますが、大体の目安が、上のアンダーライティングの基準なのです。

そこで、これを表現するための物件取得概要書を、物件取得時ごとに作る必要もあり、それをTEAR SHEET(破り取った一枚、一番上のページのような意味なのでしょうか)と呼びます。

大型物件の取得の場合のアンダーライティングはずっと複雑なのですが、個別戸建て取得のアンダーライティングは、それほど難しくないとも言えます。

私が共同経営するMTMA投資ファンドにおいては、3人の共同経営ファンドマネージャー間の分担は、以下の通りです。

■ Mさん。取得、修理、管理担当。一番たいへんな仕事で、彼がこれらの業務関連の会社をすでに経営していることがファンドの大前提です。

■ Tさん。ファンド経営実績が長く、今回で4回目。ファンド経営が初めてな私とMさんに対し、単なる不動産ポートフォリオをどうやってファンドとしてのポートフォリオに落とし込んでいくか全般を担当してくれます。

■ 私。私の仕事は、アンダーライティング、特に商業物件の見極めと、投資家向け資料作成一般、それから雑用。アンダーライティングは、内容の組み立てと最終デザインまで私がやります。

大型物件取得時のアンダーライティングは、心血注ぐ必要があり、物件取得概要は、8ページといった長い量の文章になりますし、周辺エリアのリサーチや近隣類似物件取得価格の確認など、たくさんする必要があるので、相当疲弊します。不動産鑑定書とまではいいませんが、取得根拠をロジカルに説明しなければ投資家様に対する、いわば、”IR情報”としては不十分なので、心血注ぎます。

それに対して、戸建て物件は、割合簡単なのですが、何百軒分も行う予定になるため、ファンドスタートアップ準備中のこれまで、リアルタイムで戸建て物件概要書がなかなか作れませんでした。書類収集、整理から私の仕事なので、他の締切を優先したりすると、つい、後回しになってしまうのです。

そこで、先週は、アルバイトの人を探すことと決めていました。

しかし、アルバイト探し自体が何時間も、何日もかかりだしたとき、もうCHATGPTにやらせてみようと決めたのです。

重い腰を上げて、昨日着手してみたところ、特にリマーカブルな文章力があるわけではない反面、外注の人に頼んでもこれ以上は無理だろうというレベルの「納品」をしてくれることがわかりました。

当然、やり取りはあります。

大体は、関連書類(すでに集めるのに、合計何時間もかかっている)をアップロードし、それを読ませ、最後に該当物件にとって特に意味深いエリア情報を与えます。この物件は、デトロイト市内のここらあたりで、近所の店はこういう感じ、”売り”はここだからこれを強調する、などです。

結果、いきなり、1時間以内で概要書を作り、ポータルとブログ両方にアップロードできることがわかりました。

例は下の物件です。

MTMAブログ物件情報AIバージョン

これは、AIを使い、正味20分の作業です。

それに対し、私が自分で何時間もかけて文章を作ったのがこちら。

MTMAブログ物件情報中山作成バージョン

読む方からすると、特に優劣が気になることはないでしょう。

準備作業が必要なことは確かです。最初の10戸ほどの概要書を自分で作ったことで、要点が掴みやすくなりました。何をポイントにするか、どういう側面をアピールするか、ファンドの特徴の売りをどうやって表現するかなどです。

しかし、一旦この基礎作業を行ったあと、AIに、「こういう調子で」と頼み、書類をアップロードすると、修正ポイントも一瞬でわかるため、作業がとても効率的なのです。

チャットGPT、勝手な情報を紛れ込ませることもあり、例えば、3BRの物件がなぜか、4BRになっていたり、「人間なのか?勘違いぶりも人間並?」と思う局面があります。

そのため、一読しながら、差別化ポイントのフィードバックのほか、同時にフェイク情報の修正ポイントを見極めるプロセスも必要です。

しかし、こういうやり取りは、人間相手でも当然、むしろ、もっと手間がかかります。

アルバイトさん募集の条件は、1時間25ドルで、人力でやったら、多分一軒について3時間は必要でしょう。慣れたら、2時間を切る要領のいい人も出てくるでしょうが、それにしても、

◆ 納品依頼に時間がかかる。説明する
◆ 納品されるまでに数日かかる
◆ 校正するのに私の時間がかかる
◆ 修正依頼手配に時間がかかる

といったプロセスが想定されます。AIで作業も、基本、この繰り返しで、ただし、この一連の作業をいわば、数日かけるかわりに、数分間に圧縮させられるのです。

人をトレーニングする手間を掛ける前に、自分でやってしまったほうが本当に早い。

AI到来にあたっては、AIを使える人材が生き残り、AIができる作業しかできない人材は淘汰されるといわれますが、まさに、やればやるほど、私の仕事においても、これがどんぴしゃり当てはまるのだということがわかりました。

ちなみに、私の仕事は、根本が「不動産屋」ですので、いわば、現業の部分が必ず残ります。私自身、現場からスタートし、現場を広く見てきた自覚があり、MBAで不動産ファイナンスを学んだり、ウオールストリート経由でマネーゲームだけに勤しんできた人たちとは自分は違うというプライドもあります。

原点は、いつも、現場。

しかし、現場だけをやっていてもスケールが達成できないので、ファンド共同経営者となった現在、「現場レポート」をいかに効果的に投資家様にお届けするかが問題になります。このノウハウは、単なる管理会社のそれを大きく超える必要があるわけです。

そして、それにあたっては、現場からスタートしたベテランの私が手綱を握るからこそ、AIが活きるのだということがわかりました。

大変な時代になりましたが、私は、テックが大好きなため、IT関係の年若の知り合いに教えてもらい、アーリーアダプターとなることができました。IT関係者ではないので、言われていることがその場で理解できないことも多いのですが、その後、わかるようになることがあり、そういうケースでは、飛躍的に成長できるのです。

この記事で説明したチャットGPTの使い方は、去年、1年半近く前に、IT関係の友人に教わりましたが、そのときは、CHATGPTでは、資料ファイルアップロード機能すらなく、「そんなことできないんだけどな、、、???」で終わっていました。

今年2024年のはじめにPDFがアップロードできるようになり、ようやく、今年も終わりになりかけたところで、去年言われていたことが体感できたというわけなのです。

それ以前から、新聞の記事の一部は、AIで書かれているということを知っていたことも、一助となりました。

言われたことを実践するところまで持っていくプロセスとしては随分時間がかかりましたが、それでも周囲を見渡すと、アーリーアダプターなんですよね。

そもそも、遡れば、米国が、2000年に「電子署名法(E-SIGN Act)」を制定してくれたおかげで、不動産決済書類や賃貸契約書などが、基本、デジタルとなっており、チャットGPTにアップロードできるわけですが。日本の不動産決済なら、紙ベース、押印が基本ですから、このような作業自体が不可能ですね。OCRも時々やってみますが、うまく行かないケースが多いですから。

いずれにせよ、米国のビジネス慣行は進化のスピードが早いので、何歳になっても、学んでいけるよう、これからも頑張りたいと思っています。

ちなみにこの記事は自分で書いていますが、CHATGPT に添削してもらい、無事、直ちに、いくつか、変換ミスなどを訂正する事ができました。CHATGPTでは、ENTERPRISEアカウント(毎月200ドル)のプロバージョンを使い、セキュリティ対策なども最上ランクのものを利用しています。

すべては現場から。私達は何十年もこれをやってきているからこそ、チャットGPTに何をフィードするのかがわかるわけです、それが、「AIを使える人材」と、「AIに淘汰される人材」の違いなんだと私は思います。ブログ冒頭の絵柄は、チャットGPTで、「人間が機械に取って代わられる」様を表現してもらいました。他方、これらの末尾掲載の画像は私のFIELD DAYのスナップショットからです。どちらも、わたしたちのやっていることを同時に表現しているのです。