アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログ管理人の中山道子です。
ユニオンバンクが、USBANK に買収され、日本在住者の米国銀行口座開設は、大変難しくなりました。
私が若いときには、香港に行ったついでに銀行口座を開設するなんていう方が多く、海外の口座を持っている方は、結構いたのですが、香港でも、HSBC 口座開設は至難の業になっていますね。
米国でも、口座開設自体が難しく、現在、一番楽なのは、ファーストハワイアンのようなハワイの地銀です。これは、グアムでも、支店があるそうですので、グアム行きでも開設可能ですね。
ハワイの銀行の問題点は、ワイヤーが難しいこと。郵送手配と電話でのコールバックによる確認プロセスがあるので、最短でも、手配に、5営業日くらいは覚悟する必要があります。
実は、シティバンク口座を持っている日本在住のお客様がおいでで、大変使い勝手がいいようなので、他の方にもお勧めしていましたが、現在のシティの体制は、もう、昔と同じではなさそう。
非居住外国人の場合、そもそも、口座開設には、結構なハードルがある他、最初の1,2年は、「見習い期間」だそうで、その間は、大きなお金は動かせないのだそうです。
他の銀行も、多かれ少なかれ、似たような状況かもしれません。
日本在住でさえなければ、実は、他の方法がまだあります。
アジア在住のあるお客様には、チャールズ・シュワブ証券口座(外国籍の方用)の開設をご紹介しました。合わせて、WISE の使い方がマスターできれば、米国内に、銀行口座がなくても、できることが広がります。この方は、香港の銀行口座もお持ちで、香港からのドル送金は、数時間で米国に着金するので、米国旅行をしなくても、ほぼ、対米投資が自在にできる状況。
しかし、日本在住者の場合は、シュワブ証券口座開設は、認められておらず、また、ワイズも、金融庁の指導を守らなければいけないため、1日できる送金は100万まで、目的によっては、送金自体がNGと、ペイパルより便利ではあるものの、「お財布」以上の使い方は困難。
香港についても、昔のように、パスポート等の身分証があれば、簡単に口座が開設できた時期はもうとっくに終わっており、よほど真剣に取り組まないと、難しいでしょう。
この期に及んでは、多分、香港の銀行口座開設であれ、米国の銀行口座開設であれば、ダメ元で、評判の良い有料サポート会社のサービスを受けてみて、役に立つかをトライアルするくらいのリスクテイクをすることも検討するべきでしょう。
私自身は、どのサービスのことを具体的に知っているということはありませんが、香港だと、オンラインで、日本人のエージェントさんが複数おいでの印象。米国の場合、外国人が、米国で銀行口座を開設する方法として、LLCをオンライン上設立すれば、LLC設立エージェントが、口座開設の手伝いをしてくれる、というサービスを提供していることがあります。ただ、ちゃんと、FDIC 口座保険が提供されている銀行で口座を開設できる場合であっても、シティバンクのように、当面、それほど自由がないかもしれませんね。やられた方、よければ教えてください。
普通に物件を購入して、家賃を受け取るだけなら、ファーストハワイアンやシティーバンクの口座開設で当面用が足りますが、私の日本在住の顧客様は、US BANKとの付き合い一つとっても、苦労されています。
昔、中国に住んでいたときに学びましたが、中国では、海外に、自由に資金を流出させることは禁止されており、貿易業であるなど、国際的な会社経営をしている方以外は、なかなか、海外に拠点を持つことが難しい状況。
例外が、お子さんが海外留学されるときで、このときには、誰でも海外送金が割合簡単にできるらしく、専用の口座が堂々と開設できます。
中国の方が、海外で不動産を買うのは、お子さんを留学させ、「子供のために」といって物件を購入するケースが典型的。普通の方には、これ以外の方法では、資金を海外に持っていくことが難しいため、集中して不動産投資をするのではないかと思います。
日本でも、海外送金は、「目的」審査があります。
下は楽天銀行の例ですが、以下の例に該当しないと、自分のお金であっても、難色を示されます。
また、目的によっては、書類提出が要求されますので、突っ込んでほしくないときの「目的「で、一番楽なのは、「今後株式投資をするため、資金を移動したい」といったアバウトな目的を提示することでしょう。
私も、昔、目的を聞かれ、「生活費」と答えたら、「そんなにたくさん必要ないでしょう!」と詰問されたこととがあり、それ以降、お客様の話を聞く度に、日本の銀行の過剰コンプライアンスには辟易しています。対策の一つは、海外送金に慣れている支店で手配することですが、いずれにせよ、大局的に、海外投資にアゲインストな風は変わりません。
私が若い時と比べ、現在の日本は、どんどん金融が鎖国化していますね。
東京都は、東京の国際金融都市としての地位を復活させたい、といった政策を掲げているようですが、普通の国民にとっても、投資をする環境は、劣化していると感じます。日本の金融が中国化しているんじゃ、と思うのは、行き過ぎでしょうか。
若い世代の方々に対しては、自分が今生きる日本が普通と思わず、海外に目を向けること、可能なら、飛び出ることを、強く勧めたいです。
個人の体感レベルとはちょっと指標が違うようですが、日経で、こんな記事も見かけました。
日本人の個人投資活動をこれほどまでに封じ込めながら、「金融関係の外国人を呼びたい」(税金は?子供の教育先は?)とか、人材育成(金融業界関連スキルはどこから?)とか、いいところどりは、果たして、可能なんでしょうか。
今後、この流れが変わらないとも限らないでしょうが、当面、個人投資家にとっては、日本円以外の通貨を、ホールディングすること、グローバルスタンダードの投資にアクセスすることが、どんどん難しくなっていることは、間違いありません。