アメリカ不動産、「よい管理会社の探し方」は?


アメリカ不動産投資で資産倍増中!
ブログ管理人の中山道子です。

先週(2018年11月10日)やったセミナーでは、いろいろなご質問を頂戴しました。誰もが悩む、「良い管理会社の探し方」について、ずばり、お答えします。

しかし、、、みなさんが求められる回答ではないかもしれません。。。

この記事の概要

うまい話は、なかなかありません。

私自身、管理会社を探すことをずいぶん長くやってきた経験があります。

この10年で感じるようになりましたが、「良い管理会社はどうやって探したらいいのだろう」という問いは、問題設定の仕方自体が間違っているのです。

実際には、「大概の管理会社でも用がつとまるよい物件を購入することに労力を注ぎましょう」という、ちょっとつまらない結論になりそうです、、、

私もそうでしたが、これから、投資に着手するという方は、つい、方に力が入ってしまいます。

「どんなふうにやれば一番儲かるか」
「税金対策としてベストな案件はどんな案件か」

など、いろいろ考えますが、実際には、私が投資家になって痛い目にあいながらわかったのは、

良い意味での「ふつう」、無理をしないこと

の重要さ。

このあたり、投資にあたって不動産投資関係の本だけを読んでいると、「こうやればうまくいく」といったような話ばかりで、再現性がないこともあるのですが、株式関係に目を向けると、無理をしすぎても成功しにくいものだということがよくわかります。

ウオーレン・バフェット氏の発言が有名なのでまずは援用しましょう。

バカでも経営できるような素晴らしいビジネスを選んで投資するようにしているよ。いずれは、バカが経営するハメになるからね。

“I try to buy stock in businesses that are so wonderful that an idiot can run them. Because sooner or later, one will.”

Warren Buffett’s 23 Most Brilliant Insights About Investing

うっ、、、

ぶっちゃけ過ぎ、、、

言いたいことは、わかります。

中長期ホールディング戦略を取ると、経営刷新時に、いずれ、舵取りに問題が生じる時期が来るかもしれないわけです。その際に、しばらく、我慢しなければいけないかもしれない。その間、ビジネス自体がしっかりしていれば、なんとかなるものなんだ、という感じでしょうか。

これを不動産の賃貸経営に当てはめると、割合、スッキリ理解できます。

遠隔投資家は、微妙な物件を買ってから、良い管理会社をさがし、特別うまく運用してもらおうとしても、無理がある。

どんな管理会社でも管理ができるような物件(築浅、修理が不要で、良いエリアにある)を買うことで、問題を解決するほうが話が早いです。

「それだけかい?」と言われてしまいそうなので、多少、考察を。

まず、米国では、管理業は、通常、多くの州で、ライセンスが不要なので、不動産仲介のライセンスもなくて経営しているような個人の人もいます。

そういう場合、預かった物件を賃貸に出す際に、物件を掲載しないといけないので、どこかのブローカーに話をつけてリスティングだけ、手伝ってもらうとかですね。

ライセンスや資格がないからすぐどうこうということはないのですが、その他、日本のように上場するランクの会社や全国規模の経営母体が管理をしているということもあまりなく、基本、小規模資本が多いです。

こういうふうに業界基準が一律化しているわけではないということが言いたいわけで、よしんば、経営者はしっかりしていても、実際の担当の方は、日本のように、マンション管理士のような資格制度もないわけですから、「時給12ドルで、ちょっと教わったら、いきなり就業」みたいなことが、ままありえます。

しかも、向上心のある人は、管理からはじめて、様子がわかってくれば、すぐに不動産仲介のセールスパーソンのライセンスを取って仲介のほうに行ってしまうわけです。コミッション制で、通常、よりリターンが大きいから、当然ですね。

そうすると、管理をやっていたいというタイプの人材というのは、まあ、9時から5時以内とかの定時就業がしたいとか、外回りがしたくないとか、そういうった層の人材になるわけです。

ここで、目線を、投資家目線からではなく、管理会社目線にうつしてみましょう。

私の友人は、手広く管理会社を経営していますが、微妙なエリアの物件も積極的に受け入れる戦略を取っています。理由を聞いたら、

ある管理会社経営者のリアルな声

「微妙なエリアでは、すぐ空室になるから、頻繁な修理で儲ける事ができるものさ。そこからは、オーナーが嫌になるのを待っていれば、格安でいいから売ってくれと言って来る。

管理が難しいエリアの物件のオーナーは、自分の管理会社が気に入らなくなってすぐ引っ越しすることが多いから、積極的に新規管理を受け入れれば、遠隔投資をしている資産家と取引を始めるのにあたって、格好の入口になるんだ。」

という素敵な回答が。

オーナーが管理に困るような物件を積極的に引き受ける理由は、オーナーがロスを経験している状況こそ、管理会社が、利益を上げられる機会だから、また、それが、新規開拓のフロントエンド商品になっているため、そこからいろいろ取引拡大に持っていけるチャンスだから、というわけです。

私の友人は、とにかく努力家なので、こういう戦略的な経営努力を惜しまないのですが、私の経験では、一般的には、管理会社のロジックは、公立学校の先生のそれと同じで、彼とは逆方向のことのほうが多いです。

どういうことかというと、ベテラン、評価の高い先生は、よりオプションがありますから、バーンアウトするような荒廃しきった学校ではなく、親子ともに向上心がある教えがいのあるエリアでの仕事を希望するものなのです。

同じ図式が賃貸管理会社経営にも成立するわけで、優秀な経営者は、

「戸建てはやりません。」(自社にとっての利益効率が低いから)
「そのエリアはやってません。」(滞納率高いから)

と、はっきり、「ノーの言える経営」を実践しているものです。

そうとなれば、究極的には、いい管理会社さんとの出会いは、まずこちらが、どなたにでも管理していただきやすい物件を買うという謙虚な姿勢からしか生まれえません。

ああ、昔の私に、教えてあげたい。。。

今年は、私自身、ここ数年満足していたある管理会社さんが、去年経営母体が変わってしまったため、全く満足が行かなくなり、別のところにお願いをせざるを得なくなりました。長期ホールディングには、本当に、細かい手間がかかるものです。

大体、イメージ湧き始めましたでしょうか。

この記事のまとめ

「よい管理会社さんはどうやって探せばいいのでしょうか?」
「このエリアで賃貸経営に困っていますが、どこかご存知ではないでしょうか?」

といった質問をよく受けますが、残念ながら、「こうやればうまくいきます」というような定石はありません。

もし、投資物件の賃貸経営にそこまで苦戦しているなら、それは、エリアが悪かった可能性が大きいので、物件を手仕舞い(ロスカット)することも視野に入れるべきかもしれません。