米国で納税者番号を取得する!後編 ITIN NUMBER の取得の段取り 

こちらは、同名記事の前編・後編の後編です。前編は、「どういうときに、どうして必要になるのか」を主としてご説明しました。そちらをご覧になる場合は、下からどうぞ。

米国で納税者番号を取得する! ITIN NUMBER とは何か 前編

この記事の概要

アメリカで不動産投資に着手する際に、納税者番号を取得する段取りをご説明します。書類の入力方法などの説明ではなく、代理業者さんにお願いする方法です。

こうしたことが得意な方は、業者さんを使わず、ご自身で手配されても結構かとは思いますが、普通に仕事がある方は、人に任せたほうが費用対効果が高いです。

米国で納税者番号を取得するには、申請から5ー7週間くらいの時間がかかります。また、申請は、「最初の確定申告書」と一緒に行うことが効率的ですが、物件取得時に手配することも可能です。

IRS に公認の代行エージェントのリストが掲載されていますが、確定申告をしてくれる税理士の先生であれば、大体、どなたでもできるかと思います。

日本在住者が、米国在住の会計士の先生にお願いしても構いませんが、「パスポートの認証プロセス」があるので、日本の事情に詳しい日本在住の先生にお願いするのが一番スムーズかもしれません。

どこもそうなのかもしれませんが、米国でも、お役所相手の書類仕事は、なかなか手強いです。

納税者番号取得申請書や段取りの案内は、歳入局のウエブサイト上、下のリンクからご覧いただけます。

How to apply

申請用紙は、下です。

W7 はこちらから

  • 納税者番号取得方法1
  • 申請書( W7 )を確定申告書や ID を証明する資料と一緒に下に郵送する。「 ID 証明」とは、つまり、このケース、パスポートの実物を郵送する必要があるという恐怖のオプションです。

    Internal Revenue Service
    Austin Service Center
    ITIN Operation
    P.O. Box 149342
    Austin, TX 78714-9342

  • 納税者番号取得方法2
  • 下のリンクから、公式エージェントを経由して申請する。この場合、ID を直接郵送する必要がなく、ID を公証(日本からであれば、通常米国大使館でパスポートのコピーを公証してもらうということ)した書類があればよい。

    公式エージェントのリスト

  • 納税者番号取得方法3
  • 実際に米国にいる間に、IRS でアポを取って面接をする。

    取得には、原則として、5週間かかります。7週間たっても連絡がない場合、267-941-1000(米国内からは、800-829-1040 )へ電話で問い合わせをできます。

    指定公認エージェントに依頼する場合、パスポートを、実際に IRS に郵送する必要がないので、「居住国の指定エージェント」に依頼するのが、一番、楽かもしれません。

    それ以外の方法だと、パスポートを、申請書類と一緒に郵送し、返送を待つことになるため、7週間の間、気が気でないでしょう。IRS とのやり取りはすべて普通郵便である必要があるため、パスポートを普通郵便でやり取りするというのも不安があるかと思います。

    通常は、どういう流れになるかというと、下のような感じでしょうか。

    賃貸物件購入時の納税者番号の取得の流れ

    1)物件購入。納税者番号不要
    2)賃貸に出し、管理会社から家賃をもらう
    3)年末12月が通常の〆なので、これが終わった段階で、納税申告の段取り
    4)最初の申告書と一緒に、納税者番号取得申請書類を付けて申告

    ただ、このエリアにおける IRS の実態には悩まさせられます。

    本来は、家賃が発生した段階で、担当の管理会社は、納税者番号がない顧客に対しては、申告をちゃんとすることを促すため、源泉徴収をし始める必要があるそうです。(その義務を守っている業者さんばかりではなく、そういう義務があることも知らない業者さんも存在します。)

    申告初年度に源泉徴収を受け、それから取り戻すのは面倒なので、物件購入時にすぐ納税者番号だけ申請できればベストなのですが、この段階での申請を受け付けるかどうかについては、どうも実務上ばらつきがあるらしく、納税者番号取得代行の業者さんは、あまりやりたがりません。

    管理会社から「これこれの方の物件をお預かりし、今後、家賃が発生します」というレターを添付すれば、スムーズに納税者番号が取得できるはずなのですが、現場が統一していないそうです。

    そのため、この段階で、確定申告書を添付せず、番号を申請をして、却下さるということがあるわけで、その場合は、再度、申告書と同時に番号取得を申請し直すしかありません。一度却下されても、それがペナルティになることはないので、その点は、心配されなくても良いようです。

    代行手数料は、多くの業者さんで、4,5万円くらいかと思います。

    この記事のまとめ

    米国の納税者番号の取得の流れ(代行業者さんを使う方法)

    普通の納税申告代行をしてくださる先生なら、どなたでもお手伝い可能かと思いますが、IRS の指定エージェントさん経由のほうが、多少手続きが簡略化していると聞いています。

    確定申告時でなくても申請可能ですが、実際には実務がばらついているため、確定申告時の申請を勧める先生がほとんどであるようです。

    外国人に対する制度は IRS の情報が特に錯綜しており、現場は混乱していることもあります。

    このため、歯切れが悪い記事で、申し訳ありませんが、アバウトなレベルで流れをご理解いただき、あとは、御本人の状況に応じて対策をしていただくしか無いと思います。

    一般的に外国人に対する監査というのはあまり行われません。理由は、多分、回収可能性が低いからだと思います。そのかわり、代行源泉徴収等の制度があるわけです。申告を開始し、多少、間違いがあっても、気がついた段階で、修正申告するなどで、問題を大きくせずに、解決することは可能でしょう。