「アメリカ不動産投資で資産倍増中!」ブログ管理人の中山道子です。
2018年の5月まで、「米国不動産投資で利回り20%以上」ブログを11年にわたり、管理してきましたが、新しい時代の波に追いつくため、こちらのブログサイトを新設しました。過去の記事は、前のブログにそのまま残してあります。デザインはたいして変わっていないので、「どこが新しい波に?」と疑問に思われてしまうかもしれませんが、、、
さて、レアルタ-ドットコムは、全米不動産協会のオフィシャルウエブサイト。有益な情報がたくさん掲載されています。
そこで紹介されていた2018年4月の「トップ不動産市場」ランキングでは、なんと私の得意エリア、中西部(MIDWEST、いわゆるラストベルトなどの長らく製造業不況が言われてきたエリア)の躍進が目立ちます。
下が、そのリスト、基準は、
①掲載物件へのアクセス件数平均が、全米平均に比べ、1.6-2.7倍以上のアクセスを記録している都市
②物件売却のためにかかる期間平均が、全米平均に比べ、掲載してから17-40日も早い都市
だそう。
Realtor.com 2018年4月ホットな市場トップ20
テキサス州ミッドランド、オハイオ州コロンバス市、ミシガン州では、アナーバー市の他、現在、私のグループで多く短期融資投資を行っているデトロイト市もランクイン。
長期不況の影響から、新築物件の着工件数がまだ戻ってきておらず、新築に準じるランクのいわゆる move in ready (即入居可能)な中古物件は、自宅を求める人たちの垂涎の的です。
The hot list
Rank (March) Market Rank (March) Rank Change
1 Midland, TX 5 4
2 Boston, MA 7 5
3 San Francisco, CA 1 -2
4 Columbus, OH 9 5
5 Vallejo, CA 2 -3
6 Colorado Springs, CO 3 -3
7 Racine, WI 35 28
8 Sacramento, CA 10 2
9 Stockton, CA 8 -1
10 Ann Arbor, MI 20 10
11 San Jose, CA 4 -7
12 Rochester, NY 26 14
13 Spokane, WA 25 12
14 Boise City, ID 13 -1
15 Santa Cruz, CA 6 -9
16 Detroit, MI 29 13
17 Odessa, TX 24 7
18 Dallas, TX 16 -2
19 Buffalo, NY 18 -1
20 Worcester, MA 27 7
ニューヨークのバッファロー市のような小さい不況都市(失礼)までが、こうしたランキングに急上昇するというのは、やはり就業率の向上が全米規模でリアルであることが理由だと感じます。
個人的に、最近の中古市場で特に気がつくのは、ここ10年のうちに、いわゆる「賃貸仕様」レベルの物件と「自宅仕様」レベルの物件の違いがずいぶん表面化してきたこと。上で述べたように、新築着工件数がまだ戻っていないことも、影響しているのではないかと思うわけです。足りないのは「新築に準じるステキ物件」。
米国市場には古い家は多いですが、そうした家に50年も居住してきた人が、リフォームをせずに売るような物件、または、賃貸用の投資物件をグレードアップ無しで売るようなケースの場合、仕様が安っぽく、それほど人気は出ないか、売るのに時間がかかります。値段ももちろん低めです。
そういう物件でも、すべてが本当の要修理というほどではなく、入居後すぐに生活が開始できないわけではないのですが、実際には、リフォームが終わったばかりの物件との値段の差は、最近、驚くほどなのです。
下、当グループで「要修理物件」として購入した物件の台所の例です。
「安めの/スタンダードな素材を使った」感プンプンですが、アイランドは、50年前にはなかったフィーチャーですし、直近10年くらいだかの間に、一度、リモデルをしてあることはそうだろうと思います。
オーナーは、確実に、売りに出すまで使っていたわけで、一昔前の賃貸用の投資物件なら、このまま置くところです。
購入価格は、デトロイト市内で、2017年の7月段階で、8万ドルでした。
短期転売目的でこういう物件を当方が買う場合には、「まだ使えるから」なんていうケチくさい指針は通用しません。
全面アップデート修理代を4万5,000ドルと見積もり、合計、12万5,000ドルを投入しました。私のご紹介で日本の投資家様が融資をされています。
その結果、この3月に、17万9,900ドルで売れました。
++タイムライン(下のZILLOW公開情報より)++
2017年7月13日 8万ドルで現金購入
2018年1月31日 17万9,900ドルで掲載
2018年2月2日 同額で売買契約が成立
2018年3月29日 無事売却
++
昨今は銀行融資の審査はとても細かいので、売買契約が成立してから7週間もかかっていますが、掲載価格での満額売却は、なんと、ものの3日の勝負でした。
これは、今年の私達のデトロイト市内の経験としては、特段例外的なケースではなく、みんな、こんな感じなのです。
その時のリスティングが、下のジローのリンクからご覧にいただけます。
2018年5月27日の今、ZILLOW から、修理後の写真も全て見ていただけますが、今後、それらは、表示されなくなるかもしれませんので、こちらに「同じキッチン」の修理後の写真だけ、掲載しておきます。
17万9,900ドルで売れたデトロイト市内フィックスアップ案件 15736 Ashton, Detroit, Michigan
修理後のキッチン(冷蔵庫はデジタルの家具で、本物ではありません)
キャビネットも高級なものを入れ、キッチンが小さいのでアイランドはやめてしまいました。備え付けの家電(オーブン)は、今は白モノ(スタンダード)は論外、黒(ちょっと上)でも駄目。やっぱりシルバーでないと夢は売れません。
カウンターは、当然耐熱性の高い大理石。最近の傾向で、特に今、必須となったのが、キッチンの壁のバックスプラッシュ(BACKSPLASH)、つまり、掃除がしやすいタイルをキッチンの壁に貼るスタイル。
1から10まで、すっかりモダンな家に生まれ変わりました。
テレビに出てくるようなアッパーミドルな生活をいきなり始めることができますね。さすがデトロイト、このランクのピカピカ物件が、20万ドル以下、つまり全米中古物件平均価格以下で購入できるのですから、最近、偏見のないホワイトカラー白人層がどんどん戻ってきているのも、むべなるかなです。
日本のテレビ番組でも、登場人物がとても素敵な家に住んでいて、「あの人たちの生活、どう成り立っているの?」と突っ込んだことは、大人の皆さん、多くあるでしょうが、米国でも同じ。テレビのホームドラマの影響で、全米中で、そうした高級仕様の素敵なお宅をみんなイメージするようになり、その結果、居宅に求める要求水準がどんどん高まってきた、といったことが、米国でも指摘されてきています。
こういう「上を見て自分もつい過剰?支出しちゃう」中産階級の支出のことを、CASCADING EXPENDITURESというのだそうです。前のブログで、取り上げたことがありますので、ご関心がある向きは、こちらをどうぞ。「どんどん広くなって行く自宅が中産階級の罠とは?」
同時に、昨今の米国の状況を考えると、アッパー層とそうでない層の差が著しく、後者の層は、自宅の買い替えどころではありません。そのため、今動く物件は、この「アッパー層」と、「アッパー志向が高い層」にアピールする物件が中心ということになるのではないかと感じたりしています。
いずれにせよ、つい10年前には、「住めるけど、ダサい物件」と「住みたいと思う憧れ物件」の差は、ここまで顕著ではありませんでした。バブルのときは、スタンダードな仕様の物件がバンバン売れていたのを思い出します。広さのほうが大事でした。
また、つい数年前まで、銀行の差し押さえ物件を買いたがる実需希望者というのも結構いて、そういう自宅購入希望者は、優先的に、質流れ案件を融資付きで買うことができ、私達のような投資家は、なかなか希望する割安案件を買いにくい状態もありました。
2018年になり、アッパー志向の消費者に実際に自信が戻ってきているのをこういうところからも、体感します。
2018年の「アッパー志向層」は、この物件が、修理前の状態で8万ドルで掲載されていても、見向きもしないわけです。この物件は、当方が挙手するまで、2ヶ月、8万ドルで掲載されていたわけですが、その間、自宅用に購入をしようとした買い手はいませんでした。
今どきの「アッパー志向層」は、失業率も低いわけですから、夫婦二人とも仕事があって、子供もいて忙しく、与信も良いので、融資もちゃんと取ることができます。無理に現金をためて、キャッシュで要修理レベルの物件を買って、自分たちで週末大工をするなんていう非効率な時間の使い方はもうしないようです。
そして、自分の生活レベルについては、アッパーミドルクラス志向層相応の要求水準があるわけです。デトロイト市内のこのお宅に引っ越す方は、確実に、お子さんは地元公立ではなく、私立か遠方のチャーター、実験校が前提でしょう。
現在、賃貸中の投資物件を売却したいと思われている方、ご自身の物件が「純粋な賃貸仕様」であるなら、「まだ使えるキャビネット」であっても、一式差し替えることを薦められるか、あるいは、そうでない場合、案外、思った価格では売却できないか、売るのに時間がかかるかの可能性があるかもしれませんね。
こんなふうに全米レベルの不動産、経済情報を自分の地元の投資体感温度と比較しながら、日々、投資家生活を送っています。ご関心がある方は、今後、こちらの新しいブログの更新フィードやメルマガ登録ぜひよろしくおねがいします。