2020年のアメリカ不動産投資の動向

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

米国不動産投資を始めたのが2002-3年、ブログを始めたのが、2007年です。ニッチなブログで、多くの方に読まれているわけではないのですが、目的のある方にはディープに読んでいただいていており、感謝しています。

去年も私にとって、大変よい年でした。

昔、知り合いに、「自分は、外部要因によってハッピーにしてもらおうとは思っていない。自分で自分をハッピーにするのだ。コントロールできるのは、外部要因や他人ではなく、自分だけだから。」といわれ、感心し、その後は、これを自分のマントラとしています。

投資についても同じで、万全を尽くしますが、あとは普通にグーグー寝てしまうこと以上はできません。

知識がなかった初心者の時は、リスク自体がどんなものであるかということが分からずに猪突猛進していましたが、チーム作り、人脈が前提の今は、そこの匙加減は、適正にできるようになりました。

人間関係というのは、とにかく一番大事で、私は、名刺を作って持ち歩くことはしませんが、「お互い、この人のことは信頼できる」、そういう履歴、過去がある仲間ができる、それが、長期にわたり、何かに真剣に取り組む場合のご褒美です。

気を付けていることとしては、私は、言ったことは必ずやるようにしており、また、同じことをしてくれる方との出会いを大切にしています。必ずできているかといわれば、人間ですから、「もちろん100パーセントです」とは言えないものの、基本的に、3年前に言ったことを覚えている、そういう人間関係が目標です。

昔受けていたコーチングのコーチは、毎回、INTEGRITY、INTEGROUSなという言葉を使っていましたが、実際、自分の精神衛生上もビジネス上も、インテグリティ(誠実さ)以上に重要な資質というのはないのではないかと思います。

その結果、例えば、「言った、言わない」といった不毛なやり取りや、信用ならない相手との駆け引きにつかう時間などを無駄にしなくて済みますし、何より、取引相手と話すのが憂鬱というのは、ストレスですから。

2020年は、どんな年となるでしょうか。
不動産市場の場合も、需要、供給、金利の3点に着目することになります。


《需要》

米国では、ミレ二アル層が遅ればせながら、物件購入に出始めており、需要は十分といえましょう。

しかし、需要の多くは、いわゆるスターターホーム、つまり、「初めて買う」タイプの家で、50万ドルも80万ドルもする家ではなく、安い家。

サンフランシスコのような一部のマーケットでは、外国人買いが市場に過剰なインパクトを与えることがあるようですが、世界経済の雲行きは微妙で、しかも、中国政府が海外資金流出に制限をかけて以来、カナダ人と並んで最大の対米投資国だった中国からの資金が来にくい状態なため、この外人主導の過熱のようなものは、それほど期待できそうにないのではないでしょうか。

その意味で、需要は、あるが、価格アップに大きく寄与する感じの需要ではありません。

その部分については、今後の一般庶民の賃金アップにかかっているといえるのですが、同時に、財界はマス層の賃金アップは「最後の手段」と位置付けていますので、景気や株価を維持するためには、賃金アップは、2020年も、それほど進展させられないのではないかという気がします。

《供給》

ここが問題で、価格が高くなりすぎ、また、新築もなかなか出てこないので、買いたい層に手が届かない状況。

庶民に手が届く新築物件が出てこない理由は、規制による新規土地取得が困難であることや、人手不足、貿易戦争の影響による資材の価格が乱気流したことなどがあげられます。デベロッパー側も、割安居宅供給の努力をする方向にシフトをしてきてはいます。

ちなみに、供給については、政策である程度対応が可能で、例えば、最近、市町村レベルで、「一戸建てしか建ててはいけない」という土地用途規制を緩和する動きがありますが、これに加えて、学区制改革を地元レベルで行えば、理論上は居宅の価格高騰問題を解消できるでしょう。

しかし、中産階級層は、特権的な公教育にアクセスするために割高な居宅を買っており、これが、資産の大部分を占めますので、ロウワー層との間では、パイの奪い合いという対決構図になっています。この反対層を押し切る政治的な動きは実現できないでしょう。

《金利》

連邦金利は、2020年は「このままで、または動向によっては、さらに下げるだろう」と皆さん思っているようです。ローン金利も大方連邦金利に連動する傾向があり、2019年の低金利(プライムで3%後半台)が引き続き、出発点となるはずです。

日本人からするとまだ高いかもしれませんが、米国の認識では、依然、歴史的な低さなので、ある程度の追い風を期待し続けられる状態です。また、ここ10年で値上がりを経験した層の一部が、様子を見ながらではありますが、リファイナンスにより含み資産を現金化している動向もあります。

以上3点セットを前提にすると、不動産は、インフレ以上に成長するだろうという一般論的な見解が圧倒的で、特に、賃料は上昇要因が大きいわけで、既に物件を持っている人にとっては、悪い年とはならないはずです。

米国非居住者の対米不動産投資について言えば、日本の税法の抜け穴であった加速的減価償却は、2020年の今年、封じられる可能性が高く、そのことで、物件売却に走る人、購入予定を取りやめる人もいるだろうと思います。

そうなると、この手法で、ローンを組んで、減価償却を目標に買っていた人、それ以上に、これを当て込んで、手広くビジネスをしてきていた日系の不動産会社さんにとっては、受難の始まりなのではないでしょうか。

その意味では、これから米国不動産投資を始められたいという方は、これまでに比べ、少なくなるのではないかという気もしますが、他方では、どのみち、長期的に資産運用をしていかなければいけない方にとっては、これらはすべて雑音で、今後も、粛々と、やっていくしかありません。

本当の資産家にとっての資産管理の第一目標は、節税ではなく、まずは、資産を目減りさせないことです。

政治的には、トランプ再選が規定事実化し始めていますが、株式市場は一見、好況に沸いている反面、株は高くなりすぎていて、株と比べると、不動産は、別段、高くありません。

ですが、本業がお忙しい方、遠隔でよい仲介業者さんや不動産会社さんに会うこと自体、困難な方にとっては、あまり無鉄砲な投資着手は、お勧めできません。

仲介会社さんの探し方もそうですが、よい管理会社さんを探すのは、さらに難しく、言い方はよくありませんが、何千万もの大金を投資しても、大切な資産の行方は、結局、現場で時給11ドルしかもらえていない人々の匙加減に全面的に依存することになります。

そもそも、今年、全米レベルでは、不動産は、インフレ以上の成長を見込んでいますが(3%台後半)、局地的に見ると調整が入り、下がるところも大いにあるわけで、現在、米国人自体が、「わかりやすいところ(カルフォルニアや大都市)」から、「わかりにくいところ(NCやテキサスなど)などに移住する傾向があり、その「値上がり需要トレンド」を読むことは、至難の業となっています。

例えば、去年、アイダホ州のボイシ市は10%以上の値上がりを記録しましたが、外国人が、人口が20万人しかいないような都市で、そんなミニバブルを追うことは、そもそも、非現実的です。

そんなわけで、私自身は、ここのところずっと、物件を新規に買うよりは、短期融資オンリーにしています。リスクはすべて、現地の投資家が負い、当方は、それに乗っかるだけです。

ただ、案件は精査する必要があり、限られた数しか出ないので、大体、内々で、消化することが多く、主としてリピートの顧客様とやっています。

不動産のみならず、投資というのは、投資案件の有無がすべてです。

急速に売り上げをもっと立てようとしても、基本、供給側である商品のレベルを落とす以外の急成長の仕方はできない、それが投資というものの本質です。

「わかりにくい」といわれますが、来てくだされば、だれにでも売れる商品が必ずあるというわけでもなく、地味にやっています。

こんな私ではありますが、年々、リピートのおかげで、取扱高は、地味に積みあがってきているので、今後も、この形でじっくり進めていきたいと思います。

この間に、私自身の投資額もそうですが、初期の投資家様の場合、ご一緒に投資資金を二倍にできてきているので、そういった形でも、継続が力となっています。

2020年には景気後退は米国内では防げた雰囲気になっていますが、そのツケとして、財政赤字は積みあがっており、株式市場はチキンゲームのような様相を呈しているようにも見えます。

このような中、金利を9、10%も見込める不動産担保付の投資の役割は、ますます大きくなっていくものと自負しています。

ご新規のお問い合わせは、直接、私に御連絡ください。

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今年もよろしくお願いいたします。

2020年1月2日 中山道子