自分の海外口座に振り込めない! 日本の銀行関係の規制は強化されるばかり

アメリカ不動産投資で、資産倍増中ブログの中山道子です。

海外送金は事前プランニングが必要です。自分の口座へであっても、海外送金が認められにくいことがあるので、事前準備は周到に。

もうずっと昔のことですが、私は、日本の口座にあったお金を海外送金しようとしたことがあります。当時、中国に住んでいたので、日本滞在中に、そちらに、日本の普通預金口座にあった500万を振り込んでおこうという単純な口座間移動のイメージでした。

日本においておくと、後日の中国や米国への送金ができないので、自分の中では、「日本に旅行している間に、貯金を別口座に移動」しておくというのが現実認識でした。マイナンバー以前です。

立ち寄ったのは、用事を足した後の近所の銀行支店。東京近郊の大きめなJR駅近くでした。外為部門があることだけ確認して、ササッと海外送金を済ませようとしたところ、大変な尋問地獄に陥ることになりました。

何のためのご送金ですか?

堂々と、「単なる資金の口座間移動です。自分自身の海外口座への送金ですから」と回答してしまい、そこから、担当者と私の果てしないパラレル攻防が。

結論から言うと、下の通り。

海外への資金移動が認められるためには、下のいずれかの理由が必要。

1)物を買う
2)生活費に使う

それが、銀行側のマニュアルなので、マニュアルにない理由を挙げても、送金自体を受け付けてくれません。

初めての体験だったので、そこまで理解するのに、20分くらいかかりました。

そこから、「中国での生活費です」と申告内容を変更しました。

すると、今度は、

外為部の受付行員
「中国の生活ごときに500万もの生活費は必要ないはずです!」

と、送金金額にクレームが入ります。

「わいがいくら使おうと、そんなのお前にどう関係あるんや!」と心のなかでは、突っ込みますが、怒っても仕方ないんだろうと、オトナ対応で、下のように説明したのを覚えています。

===

子供がいて、私立学校に通っているんですよ、
そちらの学費が高く、
私がシングルなら、多分、1年で500万はたしかに使わないかもしれませんが、
家族もちなんで、そういう事情がありまして

===

どうしてかわかりませんが、その方は、その間、私ごとき?が私立に通うような子供を持つ責任あるオトナであることが信じられないような顔をずっとしていました。上品な駐在ミセス風じゃないから、日本国内で詐取したお金を海外に送金する詐欺師にでも、見えたのでしょうか?

彼女とのやり取りの中で、銀行のマニュアルがどんなものであるかを理解し、その基準に沿う新しいストーリーを展開する私に対し、最後には、何が悔しいのか、彼女は、なんと、上司と相談をしてくる、といって5分以上席を外しました。

幸い、上司の指示を受けて帰ってきた彼女は、その後は、粛々と、送金手続きをとってくれましたが、その際には、パスポートで、中国居住ビザ確認もされました。

このプロセスが終わって送金ができたときには、1時間以上かかっていました。あのときは、ホント、すごく疲れたなあ、、、

2020年の今だったら、海外送金は、そもそも、マイナンバーが必要ですし、海外居住者は、日本の普通の口座を持つことはできません。(海外居住者用の「金庫機能だけ」みたいな用途の口座は使えます)

しかし、当時からあった、海外送金基準、つまり、

海外送金を銀行が認めるのは

1)物を買うとき
2)生活費

だけ

というルールは、まだ、それほど変わっていないように見えます。

楽天銀行のオンラインの送金目的リストはこんな感じ

普通の人には、基本、海外で、株式や不動産を含めた「物を買う目的」か、学費を含めた生活費として使う以外には、難しいことがおわかりでしょう。

ここから、不動産投資ブログにどう関係するかというと、現在、不動産絡みの場合、「自分名義で物件を購入するとき、きちんとしたタイトル・エージェンシーで、エスクロー口座がある」というような状況以外では、自分名義でない、海外の第三者口座へ、まとまった資金を直接送金することは、できません。

この際には、場合によっては、売買契約書等を確認するプロセスが入りますので、書類持参で行かれることになります。デベロッパーとの契約で新築にお金を振り込む場合は、一式の契約書でしょう。また、多分、主要言語(まずは多分英語)でない場合、承認に時間がかかる可能性もあるかと思います。

ただ、「これから不動産を買うための頭金を海外口座に移す」といったケースなら、関連した契約書は存在しないですから、その旨だけで通るのかと思います。

海外送金には、詐欺もつきものなので(不動産も例外ではありません)、銀行が、こうしたスクリーニングをある程度かけることには、意味があるのだろうと思います。私は詳しくありませんが、マネロン問題(Anti-Money Laundering, AML)や、KYC(Know Your Customer、顧客確認)義務、米国の法規遵法(米ドル建ての送金の場合、米国法に従う必要がある)などが理由だそうです。

今後も、良きにつけ、悪しきにつけ、規制や監視は強化される一方でしょう。

普通に投資をしたい側、海外に資金を分散しておきたい日本在住者様は、自分自身が金融犯罪に巻き込まれる可能性に十分留意しながら、こうした背景に敏感に行動される必要があります。

この記事のまとめ

現在、海外送金をするためには、「規制適合的な送金目的」とそれに伴う審査があります。目的によっては、書類が必要です。それ以外の「目的」表明をしてしまうと、自分の口座であっても、送金は容易ではありませんのでお気をつけください。

ちなみに、トランスファーワイズ社の說明による送金目的說明も参照されてみてください。

私のご紹介する案件の場合、日本からの直接送金は、もうできません。

「自分名義の物件購入」に当たらないため、当方で用意する契約書が、あちらの想定外ということで、審査困難となるようです。必ず投資名義人様と同じ名義での米国口座をご準備ください。米国に資金を移動してからのご投資となります。

私は、日本在住者様には、ユニオンバンクを毎回お勧めしています。ただ、2020年現在、COVID で郵便事情が悪化しているので、米国への郵送手続きが難しくなっています。

そのため、現在、代わりに、海外の郵送物のやり取りが不要なトランスファーワイズもお勧めしています。

ID 等確認後、正式開設後は、普通の銀行口座のように使え、10万ドル単位の額の資金移動も可能です。

自己口座に送金する際も、適合的な送金目的が必要ですので、お気をつけください。私の投資案件へのご投資を検討されたい方は、必ず、事前にご相談ください。