ベテラン投資家が、金利1%・満室・継承可能ローン付物件を断る理由は?

アメリカで、居宅不動産のプライベート・エクイティ・ファンドの共同経営にあたっている中山道子です。

不動産投資をされている方であれば、不動産投資審査というのは、「千三(せんみつ)」、つまり、1000の案件を審査し、そのうちの3つくらいしか、投資に適当な物件はない、そういう言い回しを聞いたことがあるかと思います。

私達が経営するファンドには、地元のネットワークがあり、多くの戸建て物件については、提携業者さんから上がってくる段階で、だいたい、事前に審査が終わっており、当方要件を満たしています。そのため、私自身は、戸建て取得にあたっては、そこまで審査に手間取ることはありません。しかし、大型のポートフォリオの審査は、通常の仲介レアルターさんの守備範囲を超えるため、こういった案件の審査には、私が、直接あたっています。

今日は、「金利1%の継承可能ローンがついた満室ポートフォリオ」の購入打診が来たのに、審査した結果、「お断りします」と言わざるを得なかったというお話です。

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デトロイト戸建て賃貸件数成長率が全米トレンドを上回る:2025年第2四半期市場アップデート

戸建て賃貸データ:デトロイトの大躍進

私が共同運用するMutual Trust Management Advisorsでは、ワーキングクラス・エリアにある賃貸用中古住宅の取得と運営に投資を集中しています。

今日のご報告は、全米の戸建て賃貸市場の成長が鈍化しつつあるという事実。また、機関投資家層が経営するアパート物件市場の成長も、やはり低迷しはじめているという状況。しかし、実は、そんな中、デトロイトは、米国で最も堅調な戸建ての賃貸住宅市場の一つとして際立っています。

Multi-Housing Newsが発表したコアロジック社戸建て賃貸インデックス(CoreLogic Single-Family Rent Index)によると、2025年6月時点で、全米の戸建て住宅の賃貸件数の成長率は年率で、2.9%でした。それに対し、デトロイト市場の成長率は大幅にこれを上回り、去年比で、年率5.1%の増加を記録しました。これによりデトロイトは、戸建て賃貸市場の成長率で、トップスリーにランクインをしたことになります。

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アメリカ不動産投資日記:償還時に書類を捨てる満足、、、

中山道子です。

去年融資をした220万ドルの案件が、この3月に償還になり、今日、タックス関係の書類が一息ついて、ようやく、印刷した鑑定書や決済書類を廃棄するところまで行きました。目まぐるしい進展で、考えてみると、去年の4月の段階では、プライベート・エクイティ・ファンドである 現行 MTMA を立ち上げる予感などなく、、、

去年の今頃は、一昨年共同設立した FUND IT DETROIT に基づく短期融資のスキームづくりのため、弁護士が作成した書類にに頑張って手を入れていたのでした。遠い目。。。

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物件価格は10年で2倍!《デトロイトの再生に学ぼう》

アメリカ不動産投資の中山道子です。

この前行われたデトロイト現市長の年頭市政演説、大変な時代を振り返り、未来がいかに明るくなったかを堂々と話し、バズっています。広く、地元に感動を呼んだので、対デトロイト投資のこのブログでも紹介したいと思います。

自動車の全盛期時代には輝かしかったデトロイト市は、公民権運動後のゴタゴタで、大後退します《ホワイト・フライトの時代》。その後、立ち直る間なく、リーマンショックを受けて、更に衰退。市は破産に至り、辛酸をなめました。

しかし、その後、デトロイトは、失業率20%から、5%(米国平均に並んだ)へと、大きなカムバックを経ます。人口が70万を切っている都市で、10万戸といわれていました空き家は、取り壊しや整理が進んでいます。

彼のリーダーシップのもと、空き家問題への取り組み、再生が始まり、殺人などの悪質な犯罪も、激減しました。私達も、民間として、末端において、その一端をになっていると思うと、誇らしい気持ちでいっぱいです。

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