見分ける目

アメリカ不動産投資で資産倍増中!ブログ管理人中山道子です。

この記事のまとめ

資産形成される方には、2種類のタイプがいて、本業以外は苦手な方と、投資のほうも得意になられる方がおいでです。

セミナー参加者様からのフォローメールに回答をしていたら、いつの間にか、「テキサスで58部屋ある物件の鑑定をしたいがどうやるのですか」という話になりました。

第一に、わたしのセミナーは、レジデンシャル案件についてのもので、商業物件は対象外になります。

商業案件の定義には、米国では、5室以上のアパートが入ります。日本では、初級の個人投資家が、いきなり、30室のマンションを一棟ごと購入することもあるかもしれないわけですが、米国では、ほぼ考えられないということをわかっていたほうがいいかもしれません。

第二に、具体的な案件についてのお問い合わせについてのご回答はセミナーの範疇外なので、その点も指摘させていただきましたが、どうも、セミナー参加者様ご自身のご購入についてでないような文言。

嫌な予感がして、ググってみたら、日本で、どうも、2017年からテキサス不動産販売のセミナーをしている方でした。

私のブログは、自分用の投資について、業者さんが出していない情報を希望されている方向けに、書いています。

自己紹介を読んでみると、”今の仕事に展望がないため、米国不動産投資セミナーに参加する立場から、営業に転じた”とあります。

この方のこの1,2年の”キャリア転換の軌跡”はわかりましたが、その間、私とのやり取りを、リアルタイムで新ビジネス立ち上げのためのマネタイズに利用されるのは不本意なので、今後一切のご連絡はご遠慮いただくようにご返信しました。

この話を、投資家様側の観点から見ると、高額な海外物件購入をする際に、あまり知識や経験がない方の指南を受けてされるというのは危険ですよね。一般的な個人投資家様にとっては、セミナー講師、営業をしてくる人の経験値やスキルレベルに対する観察や判断力が要求されるところです。

ここからがこの記事の本題で、そもそも、資産形成される方というのは、私の見るところ、2つのタイプがいて、第一のタイプは、資産形成後は、それを維持するのが不得意。

どうしてかわかりませんが、本業以外は、だめなのです。

わかりやすい例でいうと、「クリニック経営が忙しすぎるお医者さん」。本業についてはすごいのですが、一つのビジネスで成功をされ、それだけから財を成されたような方で、その他の社会経験がないイメージです。

第二のタイプは、おカネの管理も得意で、ビジネススキル自体がおありな方。

第一のタイプ同様に、医師であったり、スモールビジネスオーナーであったりするのですが、お金との付き合い、また、本業以外に、経営自体のほうが上手だったり、人を見る目があったりして、”それとしてのビジネススキル”がおありになるのです。(クロスオーバー可能なスキル)

こういう方も、もちろん、もちろん失敗がゼロということはなく、いろいろやってみて、失敗された経験ももちろんおあり。ですが、後者のスタイルの方は、学び続けられるので、本業以外でも、徐々に、成功されるようになるのだと思います。

私自身がご相談を受ける場合、現在、投資家様がどちらのタイプかを見極めるようにしています。

前者のタイプ、つまり、いつの間にか、お金ができてしまい、それをどうしたらいいかわからないタイプの方というのは、投資家としての素地がないので、大体、いろいろな人に相談をし、更に混乱してしまい、最後には、「あの人には世話になっているから」「あの人は信用できるから」といった人間関係的なところで、アドバイザーを選ばれ、投資判断をくだされます。

投資案件についても、「A」という業者さんから案件をもらったら、「B」という別の業者さんに見せて、意見を聞いたりします。当然、「B」さんは、自分の案件をやってほしいので、「そんなのだめですよ」とケチを付けます。

次に、「B」さんからも案件を貰い、「A」さんに見せる。そうすると、「A」さんも、同じように、「ここがよくない」というわけです。

どんなリスクもなく、利益ばかりが高いというような投資案件はありません。

おかしくない投資案件であっても、「わかりにくい」とか、「ハイリスクハイリターン系」とか、「節税にはいいけれど、ウン年でエグジットしなければいけない」とか、それぞれ、何らかの凹凸があります。御本人は、最低、そこを、「自分の状況を前提にするとこれ」と決める判断力が必要になります。

しかし、こういう方は、蓄積がなく、経験不足なのに、いきなり、いろいろな業者さんに話を聞くということを何回もやってしまい、結果、自分にとっては、どれがよくてどれが良くないかがわからなくなるわけです。

そのため、最後には

「大手銀行紹介だったから」とか
「営業の人が頻繁に来てくれて信頼できると感じたから」

とか、投資自体とは全く関係ないところに落とし所が来ます。

酷いケースでは、

「何度もせっつかれたので仕方なく、言われたうちの一番安いやつを買ってあげた」

という人に会ったこともあります。(当然ですが、失敗談の一環として伺いました。「買ってあげた」物件の管理の相談をされたのですが、だめなエリアにある物件を蘇らせてくれるようなミラクルな管理会社は私は知りません。)

私は、申し訳ないながら、こういう方と、話をするということ自体が、苦痛で仕方ありません。

なので、ご相談者様が、資産家であっても、こういうタイプの方だということがわかった段階で、身を引きます。あちらも、「せっかく声をかけてやったのに、全然親身になってくれず、その後のフォローはなし。なんだあいつは」と思われていることでしょう。

実際には、一般的なお金持ちというのは、資産の相続組を始め、むしろこのタイプが多いのではないかという気がします。

そもそも、こういう方が、いきなり本格的な投資に着手されるのは危険。

おカネを手にした年齢によっては、投資されないで、現金でお金を持っている方がいいんじゃないかすらと思います。現金なら、インフレロスだけですが、日本では、インフレ率、それほど高くないですし。

もちろん、税金をより多く払うことはあるでしょうが、不動産投資が生業である私ですら、「不首尾な不動産を”節税”相続する」くらいなら、「より多くの相続税を納税しなければいけない現金」を貰いたいです。(もちろん一番いい選択肢は、「管理が丸投げできて、売ると決めたときも、手離れが楽な物件を相続すること」ですが、これが結構難しいわけで、現金は、最善ではないかもはしれませんが、私から見ると、ふつうは、一番現実的な選択だと感じるわけです。お互い楽ができますので。)

私の母は、残念ながら、実はこのタイプでした。

父の退職後は、二人の夢だった大きな家を立ててしまい、たいへん目立ったので、あらゆる営業のターゲットになっていました。

門構えを見てピンポンしてきたお嬢さんから東京ベイコートクラブの会員権を買ってしまったときは、目が点になりましたが、そこでは終わらず、最後には、完全な詐欺師に目をつけられる羽目になり、家族ぐるみで大変な思いをすることになりました。亡くなった親の話をこういう形で持ち出すのは心が痛みますが、正直、現在、大変よく起こっていることだと思うので、あえて、コメントします。

それに対し、同じ資産家でも、御本人に、投資家としての素地があり、ご自身の投資基準があって、私のやっていることが、それに合致しているから投資仲間になっていただける場合は、全く別のやり取りが可能です。

まっとうな投資でも、中長期には問題というか、対策を必要とする何らかの課題が生じることがふつうなわけで、その問題をご一緒に理性的に解決していく事ができるのは、後者のタイプの投資家様だけなのです。そうでない方に、小難しい投資案件を売りつけようとしても、未消化、不首尾に終わるのではないかというのが私の考え方です。

クリニックを経営しているあるお客様に伺いました。

「お医者さんって、所在地がはっきりしているから、たくさん営業来てしまってお困りになりませんか?どうして選んでいただけたのでしょうか。」

ご回答は、明快で、

「電話には全く出ない。やり取りは、自分から選ぶ場合だけだから。ブログはだいたい読ませてもらいました。」

このタイプの投資家様は、冷静に状況をお伝えすれば、合理的な判断をくだしてくださいます。「小難しい海外投資」には、「営業さん門前払い」のこの鉄のメンタル、「いろいろ調べた結果、自分はこれにする」という主体的な判断力が必要。

判断力には、投資アドバイザーを選ぶ目も含まれます。

このブログを読んでくださっている方は、皆さん、この二番目のタイプの投資家様だろうと思います。(そうなっていただきたいです。)

最後に、もう一つ、最初のタイプと二番目のタイプを分ける特徴。

「無料好き」です。

うちの母も、無料サービスが好きで、よく、「無料で掃除体験」とか、「羽毛布団無料クリーニングサービス」とかの電話があると、毎回、業者を家に上げていました。

詐欺師のリストに載ったのは、そこからだと思います。こういう時、何度もスーツを着た営業マンが来ていましたが、無料でクリーニングをしてあげるためだけに、大人の男性が足繁く通う訳ありません。私は、下調べだったと思うわけです。ですが、母は、耳を貸してくれませんでした。

私も無料ブログをやっていますし、ネットの無料サーチは大いに活用しています。無料のオファーが総ておかしいとは思っていませんが、このブログ読者様は、

「資産家向けを銘打つ無料セミナーに参加。

まずは話を聞くだけと思っていたら、いつの間にか、そこから熱心な営業を受け、嫌と言えないうちに、あれよあれよと、節税になるということで、高額物件を買ってしまった。

税金のことだけを考えていたが、実際には管理やエグジットに足をすくわれ、散々な目に会っている。」

といった流れにならないように、気をつけることが必要かもしれないと思います。

この記事の補足

今更ですが、私のブログ、メルマガ、セミナーは、個人投資家様向けの場です。

アメリカ不動産を売ろうとする業者さんは商業目的のご利用ご遠慮ください。

セミナーでは、業者さんお断りを掲げています。ブログ読者様との交流の場としてできるだけ皆さんの資産形成のお手伝いするために、一生懸命やっているつもりなのに、業者さんのもぐりがあると、率直なお話ができず、一般参加者様の迷惑になります。

私自身、ブログ更新、セミナー開催のモチベーションが大変下がりました。今後、名指しも検討します。

そもそも、いくらリテラシーが低いレベルの資産家であっても、わざわざ、知識が特にないアドバイザーを選んで海外投資不動産を買いたいと思われる個人投資家様はいないのではないでしょうか。