アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログ管理人の中山道子です。この記事は、米国籍の方、米国居住者向けです。
この記事の概要
米国籍の方にとっては、LLC設立の目的は、まさに、名称通りの リミテッド・ライアビリティ、有限責任です。不動産の場合、複数投資物件があれば、それぞれを別々のLLCで所有することに意味がありえます。
ご注意)米国で本当のビジネスを起業する場合、例えば全米向けに通販サービスをするような時はまた話が別になります。
米国在住者が不動産投資をする場合、例えば、バケーション・レンタルを経営するとか、長期間に渡り、複数のテナントとのやり取りが生じるなどの結果、訴訟を起こされるリスクが生じえます。
そのため、不動産を所有する場合に、LLC名義でそれを行うことに意味があります。
LLCは、原則、不動産がある州で設立することになるでしょう。米国居住者のクロスボーダーの投資については、市税まで含めると、納税ルールが大変複雑になるので、どこで設立するかを合わせ、確定申告をお願いされる先生にご相談をされながら行われてください。一点、例えば、デラウエアのようなタックス・ヘイブンに設立しても、ご自身が、ニューヨークに住み、物件がニュージャージーにあるようなケースでは、デラウエアのタックス・ヘイブンのメリットはありません。不動産の場合は、原則、納税は、物件所在地で決まるためです。
なので、投資が一番シンプルになるとしたら、フロリダやテキサスのようなところに住んで、ネバダのようなところに物件を所有するようなケースかと思います。
LLCの設立コストは、だいたいどこでも、250ドルもあれば、数日で完了しますが、それ以外の経費については、下の記事をご参照ください。但し、下の記事は一部米国外居住、日本居住者向けの記述があります。
どのような場合にLLCを設立し、どのような場合には不要かということですが、これは、「保険」なので、各人考え方が異なると思いますが、不特定多数の方とのやり取りが想定される場合は、LLC名義にしておくことにメリットがあるでしょう。
但し、もう一点、ここも、どう状況判断をするかは、各人の決められることなのですが、銀行ローンを組んでいる場合、通常、個人名義からLLC名義に名義変更をすることは、銀行融資の条件に違反することが多いです。
そのため、個人名義で融資を受け、それから、融資をそのままにして、その名義をLLCに移転することについては、考え方が分かれます。
実は、銀行には全く報告無しで、名義をパス・スルーのLLCにしてしまい、返済だけ普通に続ける、ということをされる米国人も多いです。多くの場合、こういう事情(「個人が、有限責任のために物件名義を自分が100%所有するLLCに名義変更した」)がはっきりしていると、銀行は、目くじらを立てずに普通に取引を続けます。
ただ、テクニカルには、契約書を読むと、「そういう事があれば、全額一括返済を要求する権利がある」とあり、モーゲージの条項違反になっていることは間違いないので、そういう場合、非常時に貸し剥がしてこないとも限りません。そこら辺は、一部、慣行がこうなっているということをどう評価するかでしょうか。
この記事のまとめ
米国籍の方にとっては、投資をLLC名義で行うかどうかは、投資案件が、訴訟リスクをどれだけ抱えていると考えるかによる。それほど高額でない物件を数軒持っているだけの場合や、銀行ローンが毎回必要な方は、個人名義で投資をすることが多いでしょう。