地元発戸建てプライベート・エクイティ・ファンド・マネージャーの中山道子です。
ファンド名は、
Mutual Trust Management Advisors(MTMA)
パートナー同士の信頼関係、また、私達と顧客様との間の信頼関係がもっとも重要である、そういう思いがこもっています。
早速ファンドの収益構造と顧客還元方法を見ていきましょう。
ファンドの収益構造については、過去にいくつか記事を書きました。基本、下のとおりとなります。
■ エントリー時に格安で購入《例えば市価比10%安》
■ 修理時にエクイティを積み上げる《例えば市価比15%安》
■ 賃料で8%前後の年次キャッシュ収益を目標《通常年率5%増》
■ 安定後、融資を導入。《例えば50%で、COC8%が12%へ》
■ 毎年の市価値上がり《例えばインフレ率プラス1%》
詳細は、下のブログ記事から。
取得時に利益確定のそのわけとは!戸建て賃貸経営ポートフォリオ、2ヶ月でできたこと
スタートアップのミニ・ポートフォリオは、すでに、購入時のエクイティ目標(25%)を大きく上回っています(45%)が、念の為、もともとの目標(低め目標)を前提に、ここから全体利益を合計してざっと計算していくと、以下のようになります。
下は、私の簡略試算で、不正確なものです。実際には、高度なソフトを使い、これより精度を高めたデータを、しかも、順次修正アップデートを施しながら、毎月、更新していきます。それらは、しっかりしたプラットフォームで表示できるようになってきた段階で、インナーサークルの投資家様、投資希望者様に、ご提供していけます。
■ 初期エクイティ取得。目標は、25%
■ 4年間累計賃料。目標は、8%*4年=32%
■ 市場値上がり。一例として、4年*4%=16%
■ 3年目に融資を導入し、COC 改善。融資再投資で、合計リターン目標20%へ
■ 以上を合計すると、193%のリターンが達成できたことになります。
つまり、このシナリオでは、5年間で、10万ドルの投資が19万3,000ドルになるわけです。
エグジットは、上位戸建てファンドへの売却となります。(参考記事)その際の価格は、商業物件的なインカム・アプローチに基づく収益還元法での価格付をベースとすることになります。
以上を前提として、投資家様に対しては、以下のご提示をさせていただくことになります。
■ 元本は、まず最優先。
■ 年率8%を優先的に支払い(PREFERRED RETURNS)。これで、5*8で、40%
■ 残りの純益は、運用側と投資家様が、50%・50%で折半
上の例を引き続き計算に使うと:
1)ファンドの総合リターンが93%
2)投資家様に優先配当権40%が支払われる
3)残り53%は投資家様と私達で折半
4)投資家様は、追加で、26.5%が支払われる
こうすると、投資家様は、10万ドルを、5年間、投資をすると、最終的に16万6,500ドル(年率で13.3%換算)が返ってくるということになります。
もう一つ、「5年間まったくリターンが手元に届かないのは寂しい」、「何年もロックするのは心配」といった方もおいでなので、投資オプションは、3つご用意します。
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メンバーシップA 成長(GROWTH、ACCUMULATING)型
途中届くのは明細のみ。最終的な利益償還は、ファンド解散時(最大5年)です。全面的な複利グロース。
メンバーシップB 配当型 (DISTRIBUTING)
優先配当の8%のうちの4%を四半期配当。残りは、GROWTHに。複利で回せる部分が半減、最終的なリターンは「クラスA」より少し低め。
債権者(BOND/NOTEBUYER)型
ファンドは、随時、金利9%で2年間といった期間限定型の金利配当型の借用書を発行。担保はファンド内の個別物件。馴染みの深い「不動産担保融資」スタイルのご投資方法。最終リターンは一番低く終わる可能性があるが、毎年配当が全額入り、長期コミットが不要。債権者は投資家より支払いが優先されるため、最も堅実とも言える。
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メンバーショップA、Bとも、中途解約は、多少の時間や解約手数料がかかるため、例えば、ファンドに「50万ドルを投資する」という場合、いわゆるライフイベント(お子様の大学進学、居宅購入等)が生じる可能性がある方の場合は、そのうちの30万ドルをファンドのメンバーショップAに投入し、20万ドルは債権者となることで、20万ドルから生じる配当(通常8,9%として、1万6,000ドル、1万8,000ドルといった収入)を受け取る、といった分散も可能です。
最後に、ファンド運営側の手数料について。
私自身、一般的なリートやファンドに投資をすると、手数料をたくさん払わさせられて、何が起こっているのかわからず、損をする気になる、それくらいならリスクを自分で負って自分名義で物件を購入してリターンを独り占めにするほうが気が済む、失敗をしても、自分の糧となるのだから、と思ってきました。
実際、一般のファンドは、100ドル投資をすると、不動産に実際に投資できる部分は80ドル台で、いきなり17%位が中間経費として差っ引かれたところからのスタートとなります。これは、共同パートナーのTさんが、実際に過去に自分が回してきたファンドや周囲のウオール・ストリート型のファンドの経験から説明をしてくれたことで、やはり自分の素人的な疑念は正しかったのだとわかりました。
こうした経験から、私達のファンドは、100ドルを投資していただいたら、初期投資の97セントを純粋に投資に回せるスキームで始めること、投資家様が優先的に利益をリードし、私達の報酬は、主としてパフォーマンスに依拠したボーナスと言う形で受け取ることが3人のパートナー同士のコミットメントであることを確認しあっての出発となります。
一つの特色として、私達が3人共顧客ファーストのカルチャーを背景に持つこと、同時に、自分たち自身が適格投資家であり、「現在、どうしても高い給料を毎月取らなければやっていけない」というニーズがないことがポイントでもあります。
つまり、「投資家様が儲からなくて、ファンドがマイナス運用であっても、関係者だけはしっかり利益を得た」といったような問題を回避し、「自分たちの利益は、投資家様が利益を最終的に最大限確定したところで、クリーンに折半」で折り合わせようというパフォーマンスベースの報酬構想です。
もちろん、一部、関係者に支払う経費や、私達自身が計上する手数料はそれでも存在します。
例えば、個別不動産取得にあたっては、
■ 取得を任せているコンサルティング会社に、定型的に5,000ドルを払う
■ パートナーのアンダーライティング経費を、戸建て一軒2,000ドル計上
と決めました。
この部分は、ファンドにコミットする時間や経費を捻出するための経費です。
物件を1軒取得するために、実際には5軒、10軒の物件を物理的に、ファンドパートナーの一人が、専従レアルターさんといっしょに見回りますし、あとの二人は、いちいちCOCや長期的な展望を計算し、ロケーションが好ロケーションであるか、周囲のコンプスがどういったものがあるかといった総合的なデューデリを、役割分担しながら行います。
例えば、この前は、「セクション8の行政給付に基づくテナントさんが居住しているという15軒の物件のポートフォリオ」を3人で検討しましたが、それにあたっては、Tさんが、スプレッドシートで、個別、また、総合的に、5年計画を打ち出し、私は、固定資産税の試算やエリア、物件格付けを行い、最終的には契約上の手付けを打ち、仮契約期間中にMさんがすべての物件を見て回り、「結局、物件はボロボロ、エリアはダメダメで、とてもではないが、どんな価格でも買うには適さない」という最終合意に到達するに至りました。
別の機会では、何十戸もの巨大要修理物件に、適切な買付証明を出すため、屋根の業者さん、電気業者さん、水道業者さんなど特殊業者さんを総動員し、管理チームが丸2日かけて出入りし、できるだけ正確な修理目算を計上しました。結局、私達ほどの精度の高い検討をしなかった別の投資家が、より高い買付証明を出して、さらわれてしまいましたが、高い収益性がボトムラインなので、これは仕方がないわけです。
こうした煩雑な検討を繰り返すにあたっては、実際に、人も時間も金も使っていかなければいけないため、成功裏に物件購入ができた際には、一般のファンドに準じた経常経費として上の経費を計上します。
幸い、それをしても余りある成功が確保できそうな目処が十二分に立っており、当方の目利きや努力により、投資家様にとっては、総合取得コストは極端に効率的になものとなっているという確証も取れました。
具体的に振り返ると、2024年8月上旬から2024年9月下旬の現在までに、10軒の物件を購入し、目標の25%エクイティアップを大きく上回る45%エクイティが確定にできそうな状態にあります。
そうした経費を全く計上せず、例えば、「一見、投資家様にとっては、よりメリットがありそうな構造」を取ることはできます。例えば、《手数料だけで動く地元敏腕な不動産業者さんに物件取得を全面的に任せ、どんどん勝手に持ってきてもらった物件を買う》とでもいった戦略です。これなら、購入価格と決済価格のほかの手数料は、売り手が払いますし、私達は、物件はそれほどウオッチングせず、ファンドの販売戦略に努力の殆どを振り分けることもできます。
そのような方式だと、今の私達のスキームに比べると、中間経費が省けるように見えますが、実際には、当方スタイルでは、MLSに計上されていない掘り出し物ばかりを取得しているため、一般流通物件を一般流通価格で購入するのに比べ、桁違いのパフォーマンスが実現できていることが確認できたということなのです。
ファンド運用経験が豊富なパートナー、Tさんによると、通常のプライベート・エクイティ・ファンドにおいては、実際に、ファンド運用関係者が、保有する物件をいちいち自分で現場に行き、現物を確認して取得することは皆無だそうです。映画でよく見る、MBAを取ったばかりの若い担当者(当然不動産畑出身ではない)が、「この街ではウン百万ドルの物件を3日かけて取得する。一番効率的なのは裁判所のオークションに詰めることだな、ウン」といった乱暴なやり方で物件をどんどん取得し、挙げ句に運用に失敗するケースまで、冗談ではなく、存在するそう。
私達のように、地元関係者が足で歩いて、また全パートナーがすべての物件を実際にアンダーライティングするというのは、ファンド業界では、それ自体が画期的なことだそう。Tさんは、ベテラン・ファンド・マネージャーの自分が、ファンド業界を全く知らない不動産畑出身の私達と組むメリットは、実に、そこにあるのだと説明してくれました。
そして、それは、私達のポートフォリオが、300軒、500軒といった数に成長した際に、上位のウオール・ストリート・マネーなり、年金ファンド、ファミリー・オフィスなりが、私達のポートフォリオを、そのまま買ってくれる理由にもなります。物件の履歴が、取得時からすべて整然と整理されており、デューデリが容易で、私達が手塩にかけた粒ぞろいの物件だけで構成されている高キャッシュフロー・ポートフォリオ。取得にあたって手間はいらず、取得から関わっている管理会社がそのままフォローを続けられる状態です。
私とMさんも、Tさんとのパートナーシップで、この「FARM TO TABLE」ではないですが、Detroit to Wall Street, Main Street to Wall Street の”産直構造”が実現できること、既存のお付き合いの投資家様に、安定し、かつ高いリターンを目標とした、より高度な投資商品をお届けできることになったことに大変満足しています。