アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。
対米不動産投資でセミリタイアし、資産運用で食っています。このブログでは、不動産事情解説のほか、米国経済ウオッチングもしています。
2019年ももう、第四半期に突入しています。直近のアメリカの消費者物価指数は、2019年9月のインフレ率は、年次換算で3%に。経済成長率が2パーセントが現実的な目標である中、結構な数字をたたき出しました。
内訳を見てみると、家賃は、同時期、年次換算率4.3%の値上がりです。
インフレ率と経済成長とは、連動しているというふうに普通は想定するのだと思いますが、実際には、両者の関係は複雑。投資家にとっては、経済成長はうれしい反面、インフレは、脅威というジレンマがあります。
例えば、現在、米国のCD(CERTIFICATE OF DEPOSIT、日本でいう定期預金)の1年金利は、よくて2%台前半。それなのに、同時期にインフレが3%であれば、預けたお金は、いざ使おうとなったら、目減りしている計算です。
そこで、資産運用の出番となるわけで、不動産経営をしている場合、下の3つの柱が収益の源泉となります。
◇ 物件のキャピタルゲイン
◇ 家賃
◇ 節税効果(減価償却)
今回、この家賃部分に着目しました。
調べによると、2019年9月の家賃は、年率換算で4.3%の値上がりを記録したというわけ。下の表で、Rent of Primary Residence をご覧ください。
実は、歴史的にいって、大体、この20年くらいの間、家賃は4%台の値上がり率をキープしている状況ですので、この部分は、例年に加えて特に高くはありません。
https://www.deptofnumbers.com/rent/us/
普通の賃借人にとっては、困る数字ですが、不動産投資家の観点から見ると、賃貸経営のインフレ・ヘッジ効果が最新統計でも確認された状況です。
しかし、下のリストを見ると、格差がすごいですね。一番値上がりしたのが、ホテル等宿泊費で、前年比30%。原油が値下がりした商品のトップです。
クリーブランド連邦準備銀行調べより転載。
元リンクは、こちらです。
Detail for Computation of the Median CPI – September 2019
Component | 1-Month Annualized Percent Change | Relative Importance (Normalized) | Cumulative Relative Importance |
---|---|---|---|
Motor Fuel | -25.1 | 3.6 | 3.6 |
Women’s and Girls’ Apparel | -18.7 | 1.2 | 4.8 |
Used Cars and Trucks | -17.9 | 2.3 | 7.1 |
Fresh Fruits and Vegetables | -15.0 | 1.0 | 8.1 |
Infants’ and Toddlers’ Apparel | -13.4 | 0.1 | 8.3 |
Fuel Oil and Other Fuels | -12.6 | 0.2 | 8.4 |
Miscellaneous Personal Goods | -12.1 | 0.2 | 8.6 |
Watches and Jewelry | -11.9 | 0.2 | 8.9 |
Medical Care Commodities | -6.9 | 1.7 | 10.6 |
Personal Care Products | -3.2 | 0.7 | 11.2 |
Alcoholic Beverages | -3.1 | 1.0 | 12.2 |
Communication | -1.5 | 3.5 | 15.7 |
Energy Services | -1.5 | 3.3 | 19.0 |
New Vehicles | -1.5 | 3.7 | 22.7 |
Footwear | -1.2 | 0.7 | 23.4 |
Tenants’ and Household Insurance | 0.1 | 0.4 | 23.8 |
Recreation | 0.4 | 5.7 | 29.4 |
Education | 0.7 | 3.1 | 32.5 |
Personal Care Services | 1.2 | 0.6 | 33.1 |
Nonalcoholic Beverages and Beverage Matls | 1.3 | 0.9 | 34.0 |
Processed Fruits and Vegetables | 1.4 | 0.3 | 34.3 |
Dairy and Related Products | 1.9 | 0.7 | 35.0 |
Motor Vehicle Maintenance and Repair | 2.3 | 1.1 | 36.1 |
Public Transportation | 2.5 | 1.1 | 37.3 |
South: Owners’ Equivalent Rent of Residences | 2.5 | 8.2 | 45.4 |
Water/Sewer/Trash Collection Services | 2.7 | 1.1 | 46.5 |
Misc Personal Services | 3.0 | 1.0 | 47.5 |
Midwest: Owners’ Equivalent Rent of Residences | 3.0 | 4.3 | 51.9 |
Food Away From Home | 3.2 | 6.1 | 58.0 |
Meats, Poultry, Fish and Eggs | 3.3 | 1.6 | 59.6 |
Motor Vehicle Insurance | 3.3 | 2.4 | 61.9 |
Northeast: Owners’ Equivalent Rent of Residences | 3.4 | 5.1 | 67.1 |
Household Furnishings and Operation | 3.5 | 4.3 | 71.3 |
Other Food At Home | 3.7 | 1.8 | 73.2 |
West: Owners’ Equivalent Rent of Residences | 3.9 | 6.7 | 79.9 |
Rent of Primary Residence | 4.3 | 8.1 | 87.9 |
Leased Cars and Trucks | 4.4 | 0.6 | 88.6 |
Medical Care Services | 4.5 | 7.1 | 95.7 |
Cereals and Bakery Products | 5.7 | 1.0 | 96.6 |
Car and Truck Rental | 6.9 | 0.1 | 96.8 |
Tobacco and Smoking Products | 7.5 | 0.7 | 97.4 |
Motor Vehicle Fees | 7.6 | 0.5 | 98.0 |
Motor Vehicle Parts and Equipment | 8.0 | 0.4 | 98.4 |
Men’s and Boys’ Apparel | 25.5 | 0.7 | 99.1 |
Lodging Away From Home | 28.1 | 0.9 | 100.0 |
この記事のまとめ
日本では、不動産投資をすると、経年に応じて、家賃は下がるのが普通。考えたくない方のほうが多いかもしれませんが、長年にわたる慢性的な過剰供給が原因なのではないでしょうか。それに対し、需要と供給のバランスがより健全な米国では、物件購入後、同じ物件の家賃が、値上がりしていきます。
2019年9月の米国のインフレ率は、年率換算で3%を記録しました。9月の家賃の値上がり率は、年率換算で、4.3%です。2019年の経済成長率は、均しで2%位が目標、ケース・シラー・インデックスによると、全米居宅値上がり率は、2019年7月現在で、年率3.18%を記録しています。
厳密な正確性を見過ごし、これをモデル的な投資に当てはめると、
「この9月、物件が、3.18%値上がりした(過去1年間での数字)。家賃は4.3%値上がりし(9月の数字を年率換算)、減価償却を抜いても、合計で、年率7.48%のリターンが見られた。
同じ期間中、GDP成長率は2パーセント台(2019年の予測)、インフレ率は3%(9月の数字を年率換算)だった」
といった感じになります。(モデルですので、具体的に個別ケースは当然異なります。また、家賃のインフレは同じ物件についての数字でないので、ケース・シラーよりさらに正確性が劣ります。)
結論としていえば、消費者誘導の不動産市場は、依然、全体経済を上回る成長を見せているようです。