アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。
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アメリカで不動産を購入する際には、タイトル・エージェンシー(TITLE AGENCY)という「司法書士事務所のようなオフィス」で決済(CLOSING)を行います。
タイトル・エージェンシーは、オフィシャルには、第三者機関として、売り主からも買主からも中立的な立場。両者が交わした契約書に基づき、以下の役割を演じることで、決済のスムーズな進捗を図ります。
★ 名義変更に関わる諸手続きを適切に行う(TITLE WORK)
★ 名義変更に伴う金銭的なやり取りを適切に行う(ESCROW)
★ 名義変更保険を販売する(TITLE INSURANCE)
米国では、売買契約が成立したのちには、契約書は、タイトル・エージェンシーというところに持ち込みます。TITLE AGENCY は、州のライセンスが必要な業務です。業務内容的には、日本の司法書士事務所のようなイメージ(ただし不動産関係業務に特化)ですが、第三者として、売り主、買主とも、中立的な役割を演じます。
契約段取りの依頼があると、タイトル・エージェンシーでは、一つ一つの売買取引のために、「専用の資金預かりアカウント」を作ります。
これを、エスクロー口座(ESCROW ACCOUNT)と呼びます。
物件が「今契約中で、いまにも決済する」状態のことを、イン・エスクロー(IN ESCROW)といいます。
そのため、決済の担当者は、エスクロー・オフィサー(ESCROW OFFICER)と呼ばれます。それなりの経験が必要なので、弁護士の資格を持っている方が担当していることもあります。
また、タイトル・エージェンシーで、決済全般のさい配というより、名義関係の確認業務に主として当たっている方のことは、タイトル・オフィサー(TITLE OFFICER)と呼ばれています。
タイトル・エージェンシーに払わなければいけない決済手数料の費用は、合計で、通常は、500ドルくらいでしょうか。あちらは、お金を預かったり、名義保険を販売する手数料などで、もう少し、収入があるようです。
さて、日本の場合ですが、決済時には、自分側の司法書士の先生に、段取りをお願いしますし、そもそも、契約時には、重要事項説明がしてもらえるイメージですよね。
契約時の重要事項の内容は、下のような感じ。SUUMOのサイトです。
それに対し、米国では、この部分、重要事項説明は、契約締結時にはすっ飛ばし、実質、決済時に、タイトル・エージェンシーが担う形になります。
しかも、日本のように親切に説明をするというイメージではなく、あちらは、各種書類を用意し、それに「サインをしてください」というだけです。いかにも忙しそうにしているので、そこでじっくりと、いちいち、すべての書類に目を通し、質問を投げかけながら進められる人というのは、たぶん、アメリカ人であっても、なかなかいないでしょう。
そもそも、質問されたって、決済担当者は、「え? その書類は、銀行から来たものですから私は説明なんかできませんよ。わからなければ自分の弁護士を連れてきて説明を受けるべきなんですけど。こっちの書類ですか? 書いてある通りなんですけど。」とか、いうだけでしょうし。
ああ、自己責任社会、アメリカ。
まあ、普通の不動産決済は、定型業務なので、普通は言われたとおりにサインをするので大きな問題ありません。
しかし、もし、よくわからない状態で、書類にサインをするのがどうしても怖い場合は、不動産業者さんには説明はお願いしにくいので(法的書類を説明するのは、弁護士の仕事であるため)、不動産に詳しいバイリンガルの友人に同行を頼むことを検討しましょう。
それが無理なら、最悪、日系の弁護士先生に同行を依頼することになります。事実、ニューヨークのように、州によっては、消費者保護のため、不動産決済にあたって、弁護士同行が義務付けられている場合もあります。
この記事のまとめ
米国では、不動産決済は、第三者機関である「タイトル・エージェンシー」で行います。日本の重要事項説明のような親切なやり取りは、期待できませんが、ライセンスのある仲介業者さんに依頼し、不動産協会を通して、一般流通をしている物件を購入し、タイトル・エージェンシーを経由して決済する場合、流れに任せれば、大きなトラブルは起きにくいでしょう。
稀に、このプロセスをすっ飛ばし、私人間取引で売り主から物件を直接買っている方を見かけます。素人にはお勧めしにくいやり方ですのでご注意。