アメリカ不動産投資で試算倍増中ブログの中山道子です。
今日は、「いろいろなマーケットに手広く投資することのリスク」。
世の中、分散投資こそがリスク回避行動であるということが言われることも多いですが、その逆のことを言わんとしているので、根拠をしっかり、検討してみてください。
手広くやりすぎることの問題1 学習値が上がらない。
不動産は、ロケーションごとに大変環境が異なります。米国は連邦なので、民法は州ごと。名義書の呼び方や名義の内容からして、州ごとに違ったりします。
一つの州で成功しても、別の州に行くと、新しいエリアを開拓する必要があります。毎回、プチ起業をするようなもので、一つのロケーションが成功しても、別のロケーションでは、同じ法則が適用できるとは限りません。
ビジネスの半分は、経験値なので、あまり手広くやってしまうと、どこでも、そのいずれもが集積できないというもったいない結果となります。
手広くやりすぎることの問題2 いつまでも取引コストが下がらない
新規に何かをスタートアップする際には、割高のコストが掛かります。しかも、何箇所も回る場合、旅費や移動時間などは、割高のままで、落ち着けば、安くなる、減るというものではありません。
もう一つ、税金の申告は州ごとなので、州によってバラバラに異なる税金を収めることになり、複雑。固定資産税の納税に至っては、物件ごとに納期が違い、しかも、多くの州では、普通2,3回に分けて支払うわけです。
更に、コストは、お金だけではありません。投資の際、マイタイムはコストの一部です。
本業がある方は、本業から時間を割いて、投資先を回ったり、物件管理をしたりすることになるわけですから、手広くやると、時間効率も落ちます。
年収が800万の方は、年間勤務日数が250日とすると、1日の日給は、3万2,000円。普通は流石に計算に入れませんが、本業や他のことができる時間を食うわけですので、旅費や滞在費の他に、更に、逸失利益が、1日3万とか5万かかっているのだとすると、時間コストがいかに大きいかがわかると思います。
時間をお金に換算しなくても、日に日に大きくなるお子さんと過ごす日とか、親御さんの介護に回さないといけない日とか、計算できないが、帰ってこないマイタイムというものは、あるもので、そうしたコストも、取引コストです。
手広くやりすぎることの問題3 誰にも大事にされない
似たようなことを言い換えているだけなのですが、こういうとキツく聞こえるでしょうか。
不動産投資は、コチラにとっては、大金がかかりますが、仲介業者さんにとっては、例えば、「30万ドルの家を買うから」と言われても、取引高は、最大9,000ドルが一回、収入となるだけ。二度目がないとわかっていれば、それ以降は、「客」扱いはありません。
管理会社さんも、家賃の12%が入るだけで、これも、賃料が1,800ドルとすると、毎月のフィーは、たかだか200ドル程度。こちらの虎の子を預ける割には、あちらにとっては、「ああ、なになに様ですね、お待ちしておりましたーっ」なんていう意識は、芽生えようがありません。
日本では、誰にでも良いサービスを提供することが理念なので、ここは理解しにくいかもしれませんが、米国では、親切にしてくれるかどうかは、全てが、顔なじみかどうか、相手を人として知っているかどうか。頻繁なやり取りの中でしか、これは産まれません。
お金をたくさん使い、色々時間を使って努力しているのに、毎回、自己紹介から始まるとしたら、、、
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私自身、アメリカ不動産投資で20年に近い年月を過ごし、流石に初期に出来た知り合いと今でも付き合うケースは少なくなってきましたが、10年といった年月を一緒に過ごしてきた仲間が何人もいることは間違いなく、こうした相手との間で、一番ありがたいのは、やり取りを文章化したり価格交渉したりしあわなくても、ちょっとしたことは、声をかけるだけで、すぐメールの返事が来る、無料で助けてもらえること。
今週、ある方のご相談を受けていて、「色々なところにメールをしまくったが、全く誰からも返事がない」と言っていたのを聞き、「昔は、自分もそうだったなあ」と思い出しました。
アメリカ人のしごとのやり方というのは、自分の時間効率を最優先するので、「大した取引先ではない」「こういうケースは面倒なだけ」などと瞬時で判断し、自分にとって利益がないと判断すれば、「解決=>無視」と相成るのです。NO とすら、言ってくれないのですから、こちらは、??な状態で放置されます。
そこを乗り越えるには、取引量が必要。
手広くやっているのに、何年立っても、どうにも投資効率がつみ上がってこないと感じている方は、自分の投資スタイルを、見直す時期かもしれません。