テナントさんに物件を買ってもらえるか聞く Right of First Refusal

アメリカ不動産投資で資産倍増中ブログの中山道子です。

今日は、テクニカルな用語解説。

物件を売る際には、普通、居住中のテナントさんに出ていってもらいますが、その際に、

「この物件、買いたければ、あなたからのオファーを最優先で検討しますよ、売ることは、まだ誰も知らず、今は、未掲載です。今なら他に買取オファーはまだ出ていませんから、買取証明を出すなら今ですよ」

ということを持ちかける場合の話です。

Right of first refusal (買取拒否を一番に行う権利)といいます。

賃貸中の物件を売る際には、空室で売るのが鉄則。

売るとなれば、テナントさんに告知をして退去して貰う必要があります。その際に、「出ていってほしいんだけど、売ることが目的だから、逆に、買ってくれるか、検討してもらえるなら、あなたの買付証明を最優先で検討しますよ」という通知を合わせてすることに意味があります。

それが、

Right of first refusal

どうしてこんな言い方(最初に拒否する権利)をするかと言うと、「最初に物件を買うことを拒否する権利」をあなたにあげます、という言い方なのです。

テナントさんが、いや、お金ないです、出ていきます、という場合は、

「この物件は買いません」

という購入を拒否する権利を行使し、というか、買わないという意思を表明して、出ていくわけですね。

わかりにくいですが、一般契約法の用語でもあります。不動産では、このように、誰かに、物件や抵当権を買い取りたいかを聞く方法として、使うわけです。

なので、賃貸借契約に、この条項が最初から挿入されている場合もあります。

融資を取らないといけないことが通常でしょうから、解約の一ヶ月前告知で、いきなり、「この家買う?」とか言っても、可能性は低いかもしれませんが、多くのテナントさんは、賃貸を仮の状況と考えており、いつかは、自分の家を買おうと思っているわけですから、ダメ元で、まずは聞いてみる、ということですね。

そこから、「え、ローン取得できるか、大車輪で申請してみます!」といった話になれば、こちらも、空室ロスやトラブルなく引き渡しできる可能性が高いことに鑑み、市場掲載価格より少し割安で売るといった商談に入ることができるわけです。

やり取りの中で使う場合は、

I want to give you the right of first refusal (ROFR) to buy this house.

直訳すれば、

『あなたに、この家を購入することを最初に拒否する権利を上げたいのです。』

意訳すると、

『この家を売りたいんで、あなたに、まず、買取オファーを出してもらえると嬉しいですが、可能性薄でしょうかね。』

といったところでしょうか。

管理会社さんとのやり取りで、この用語が出てきて、どういう意味かな?と思われる場合があるかもしれませんので、ちょっとテクニカルなタームなのですが、取り上げてみました。