管理組合の恐怖 Homeowner’s Association (HOA) Woes

「アメリカ不動産投資で資産倍増中!」ブログの中山道子です。

この記事の概要

米国では、管理組合のことは、HOMEOWNER’S ASSOCIATION と呼びます。略して HOA(エイチオーエー) 。管理組合費のことは、HOA FEES(エイチオーエーフィーズ) と呼びます。

管理組合は、通常、デベロッパーが外部の不動産管理会社に業務を委託してアレンジ、管理組合のルールブック、規約は、BYLAWS(バイローズ) といいます。

管理組合の権力は強力なので、投資物件に賃借人を入れている人は、気をつけましょう。

最近、ヴィーガン/ヴェジタリアン人口がどんどん増えているようですね。と言っても、米国で言っても、人口の5%前後なんでしょうが、、、

私も50を過ぎ、食事から肉や乳製品を減らす方向にかじを切りました。今月は、「1ヶ月のにんじんジュースチャレンジ」を始めてみたところです。

参考研究例:Carrot intake and incidence of urothelial cancer: a systematic review and meta-analysis

これは、にんじんを絞ったジュースを毎日できるだけ飲むというチャレンジで、とりあえず、1日コップ3杯、600から800mlを目標にしています。人参の量にすると、毎日1キロ以上必要です。

いきなり、開始翌日から目がすごく調子よくなって、毎日視界がぱっと明るいです。眼精疲労で悩んでいる方、お勧めします。(The Role of Lutein in Eye-Related Disease

よく、「人参が体にいい」とか、「ブルーベリーがなんとか」とか言いますが、サプリ形式で成分を摂取したり、そうした食料を、日々、少量食べたりするより、期間を設けて、想像を超えた量、「こんなに無理!」と思うくらいの量を、食品として一挙に摂取すると、即効性があって効率的なんだということを今年学びました。

食品として摂取する場合は、過剰摂取の問題が少なく、人参の場合は、肌がオレンジがかってしまうくらいらしいです。

チャレンジ期間が終わったら、「1日1杯」のメンテナンスモードに戻る予定です。がんばれ、自分♫

ということで、本題です。

今週、所有している物件の管理組合から、素敵なメールのお便りが来ました。

Dear Michiko Nakayama,

We have been receiving numerous complaints regarding the dumping of large pieces of furniture, wood, etc. at the corner of XXX and YYY.

Please see the attached picture. ABC COMMUNITY IS NOT A DUMP!

Additionally, this rubbish pile poses an attractive nuisance to the neighborhood kids who are playing in and around the pile. Someone is going to get hurt.

It also attracts vermin who will eventually invade all properties. We are now going to have to have this removed by a professional company and this costs everyone money.

However, if the person or persons who (sic) doing the dumping are identified, they will receive the bill and a health, safety, and welfare violation notice.

These notices have no statutory limit on the amount of the fine that can be imposed. So, please, if you are dumping on the ground STOP! If you see someone dumping, please notify management with the address where they reside and they will face the very serious consequences.

Thank you all for your cooperation.

Sincerely,
XYZ
Community Manager

いきなり、激高トーン。具体的な住所や名前は伏せてあります。ブログ記事冒頭に掲げた写真が、まさに、このメールで添付されてきた写真。メールの概要はこんな感じです。

ナカヤマミチコ様

XXX通りとYYY通りの交差点で、家具等大型の不法ゴミ廃棄に関する苦情がたくさん寄せられています。貼付の写真を見てください。当サブディヴィジョンは、ゴミ廃棄場ではありません!

このゴミの山は、子どもたちにとっても格好の遊び場になっているようです。誰かが怪我をするでしょう。害獣にとっても魅力的な巣。ここから、敷地全体の全ての家に侵入することになりますよ!

今の段階では、管理組合がゴミ回収手配のコストを支出しなければいけません。皆さんの負担です。

しかし、犯人が誰かわかれば、その犯人にコストを負担させます。規約違反なので、実費の他、罰金も課すことができます。罰金の金額には、法令上、上限はありません!!

もしあなたが廃棄をしているなら、今すぐ、やめなさい!! あなたが、誰が廃棄しているのかを知っているなら、当方に連絡してください。そうすれば、該当者に課金し、管理組合全体のコスト負担を回避できます。

ご協力ありがとうございます。

管理組合マネージャー

おお! 

この山があるだけで、明日は、子供が怪我をし、明後日には、敷地内居宅全てに害獣が住み着く!犯人が誰か知ってれば、チクりに来いよ!罰金には上限は無いぞ!!

なんと頼もしい、、、汗

日本では、ふつうの一戸建ては、管理組合に所属していることは稀なんじゃないかと思いますが、米国では、PLANNED COMMUNITY(計画コミュニティ)ということで、デベロッパーが広い敷地を一挙に開発し、数百の家を分譲していくことが一般的。

マンションでなくても、こういうところには、デベロッパーが手配した管理組合があって、そこに組合費を払い、プールや道路などの共有部分の管理や、ゲーテッドコミュニティの場合、ゲートやガードのコストや保険を負担します。

この管理マネージャーは、こうしたホームオーナーアソシエーションの管理を下請けするのが仕事の不動産管理会社の従業員の方。

あちらはサラリーマンで、このコミュニティに住んでいるわけではないのですから(のはず)、単に粛々と仕事をすればいいだけじゃないかと思うんですが。ここまで思い入れがあるメールを貰ってびっくりしました。住民主導の役員会のほうから、メール文章の草稿が回ってきたとか?

こうした管理組合がある物件にテナントを入れている方は、管理組合の規約を守るために、細かく気を使う必要があります。

テナントに対し、規約を周知させることもその一つ。

また、管理組合に、テナントの名前や連絡先を連絡をし、管理組合から支給されるゲートのオープナー(車で出入りするときに必要な)を手配したり、ですね。

私のこの物件の場合、家の鍵の他、共有部分に関しては、以下のアイテムを賃借人に渡さなければいけません。

> ゲートオープナー2台(夫婦別々用)
> 歩行者用のゲートの鍵2つ(夫婦別々用)
> 共有部分にあるプールの鍵

家のガレージ自体もゲートオープナーなんで、合計4台も渡さなければいけません。壊れたら、買い替え手配も面倒です。

前はプールは鍵がかかっていませんでしたが、私が住んでいた頃に、鍵を使って出入りする形式に変わりました。事故があったのかまでは、組合ミーティングに参加していないので知らないのですが、想像するに、保険会社の保険料を落とすためなんではないかと。

規約は相当細かいので、過去には、「テナントさんが、ゴミ出しの日の前の日にゴミ箱を自分のガレージの外に置いていた」というだけで、管理会社から「次回は罰金だから」といったクレームが入ったという経験もあります。

またあるときには、「お宅のテナントには、ティーンエージャーの男の子がいるだろう。その子が周囲に対し、悪質ないたずらをしているという通報があった」ということを言われ、当時、自分で管理をしていたので、しぶしぶ、テナントさんに問い合わせの電話をしたこともあります。

その際には、

「それは、うちの子ではない。うちの子は、責任感があり、成績優秀な生徒で、そんなくだらないことをする暇はない。体の格好だってもう成人男性と同じに見える。『子供』がやったというなら、うちの子ではなおさらありえない。黒人だから、言いがかりをつけてくるんだろう」

と苦々しく言われてしまいました。

この御一家は、当時、4年間の付き合いがあり、家賃もタイムリーでしたし、定時の立ち入り検査時には、私なんかよりずっと綺麗に住んでいることも知っていたので、その言を疑う理由はまったくなくなく、その後、管理組合には、「当方のテナントに確認したが、違うということなので、言いがかりには十分注意されたい」と回答をして終わった覚えがあります。

そのテナントさん一家は、結局、5年もの良好な付き合いの後に、夫婦ともに失業。滞納が始まり、強制退去告知をせざるを得ませんでした。

本人たちも、忸怩たるところがあったようで、追い立て期日までに、きれいに清掃を終わらせ、鍵などを一式置いて、静かに出ていきました。全ては経済のせいなので、この御一家のその後がうまく行っていることを祈るばかりです。

それ以降は、自分でやるのがいやになり、現地の管理会社にテナント審査や管理を任せることにしました。

つまり、最近の米国の賃貸経営は、

> 敷地内の管理組合
> テナントマネジメントのための管理会社

二社に別々に月次の管理費を払わなければいけないということです。

このため、管理組合下にない一般的な一戸建て(古い物件に多い)にも人気はありますが、そういう物件の場合、近所に麻薬のディーラーが引っ越してきても、対策はありません。管理組合があれば、管理組合には、結構強力な法的権限があります。

管理組合関係の業界紙のサイトにこんな例が掲載されていました。

ある居宅で、賃借人が、カメラを敷地内に設置し、オンラインでホモセクシュアルセックスをストリーミングするビジネスを経営していた。自宅の庭でも、こうしたパーティが頻繁に開催され、周囲の居宅から丸見えだった上、深夜の騒音も著しかったため、管理組合が、賃借人の立ち退きを要求し、訴訟になった。結果は、「規約上、敷地内でビジネスを経営してはいけない」という決まりがあったために、裁判所は、組合規約違反があることをもって、立ち退き要求が正当だと認めた。

How to Handle Troublesome Neighbors in Your HOA

子供を遊ばせるための庭なのに、眼の前で、セックスパーティーは、、、困ります。自分で申し入れるのも、なんか怖いですよね。管理組合規約、バンザイ、、、汗

この他、管理組合費を滞納していると、その額が、千ドル単位で大したことがなくても、管理組合側には、物件に抵当権を付ける権利がある上、管理組合の抵当権の執行順位は、税金の次。1番抵当権の上位に来ます。

冒頭の管理会社のマネージャーの「罰金の上限はない」というのも、どうもラスベガスでは、本当らしいです。

相当に迫力のあるお便りを貰い、不法廃棄者は震えているのではないでしょうか。遠方なので何もできませんが、管理組合費が上がるのも困ります。マネージャーさんの強気メールの効果で、今後は、こうした不法廃棄作業が止むことを願っています。

この記事のまとめ

最近の米国の物件は、一軒家であっても、管理組合の一員として規約を守る必要があるケースが多く、テナントを入れている場合、報告義務もある。

賃貸目的で、物件購入の際には、事前に管理規約上、「賃貸借がそもそもOKかどうか」、「セクション8テナントの可不可」「ペット可の場合、可能な数やサイズなどの詳細」などを確認することに意味がある。

管理組合の権限は強大なので、付き合い方には留意することが必要。